●更新日 04/08●

日本語講師の憂鬱


日本語を外国語として外国人に指導する。
日本語を勉強する必要のなかった我々にとっては、それがどんなに大変かいまいち想像し難いものです。
そこで、今回はアメリカの大学で日本語のクラスを担当しているAさんにお話を伺ってきました。

写真



まず、日本語の教師になろうと思ったきっかけを教えてください。
私の場合は日本でも英語の講師や日本語講師の経験があり、昔から言語教育に携わっていたので、アメリカでも一番やりやすいかなと思っただけですね。

仕事の内容はどういったものでしょうか?
メインの仕事は日本語を生徒さんに教える事です。
その他にも試験の作成、採点や、自分の事務所に来た生徒さんの質問に答えたり・・・。
週におよそ20時間働いています。

日本語を教えていてよかったことは?
今まで全く日本語を喋れなかったアメリカ人達が少しずつ日本語を喋れるようになっていく過程を一緒に見ていくことができるのは、やっぱり教師冥利に尽きますよ。

では、逆に困ったことは?
普段は自分の母語である日本語を、文法を意識したりだとか言葉の意味をを深く考えたりせずに喋っているので、授業の中で生徒から思いもかけない質問をされた時は困ります。例えば、「〜かもしれない」という用法は、事例が何%くらいの確率で起こる場合に使えるか?とか「机の上にネコがいます」と「ネコが机の上にいます」の違いは?という質問を受けた時は困りましたね(笑)

何か裏話があれば教えてください。
よく日本語クラスの先生達で日本語の解説についてあーでもないこーでもないと言い合ってます。
特に初級のクラスの授業だと、ほとんど日本語がわからない学生ばかりなので、如何に分かりやすく彼らに伝えるかを考えるのが大変なんです。
まさか生徒達はそんな事を考えてもいないでしょうね(笑)

このお仕事の魅力は何でしょうか?
さっきも言いましたけど、生徒さんが成長していく過程を直に見ることができる、あとは日本語を見直すことができて、それが自分の勉強にもなるということです。

最後に、日本語講師を目指している方にメッセージがあればどうぞ!
日本人だから日本語を教えるのが簡単だという概念は捨ててください。
私は50分間の授業を教える前に必ず2時間は準備をします。
もしもなりたいと思われている人がいたら、その辺を覚悟しておいて下さい(笑)

写真



いかがでしたでしょうか?
やはり日本語を外国人に対して教えるというのは一筋縄ではいかないようです。
僕はかつてアメリカ人に「私」と「私」の違いは何だと聞かれて、全く答えられなかった経験があり、そこで初めて日本語の難しさに気付かされました。
自分の国の言葉に興味を持つのって、そういった些細な事からなのかもしれませんね。



John Doe


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事