●更新日 02/24●

アニメの“あのセリフ”を英語で言ってみる 〜エヴァ編〜


今年の夏に新作劇場映画版としての復活が決まった「エヴァンゲリオン」
僕は中学生の頃にリアルタイムでテレビ放映を見ていた人間でして、この作品が今の自分のヲタ人生の礎となる作品だったので、今回の復活は非常に感慨深いものがあります。

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アメリカでもエヴァ人気は非常に高く、ハリウッドでの実写映画化も決まっていますし、日本のコミケ的なアニメイベントでもエヴァキャラのコスプレをしている人を多数見かけることができます。
そこでこのシリーズ第二弾として、エヴァに出てきた各種名セリフの英語版をお届けしちゃいます!


一発目は記念すべきテレビ放映第一話から、碇シンジのこのセリフ

逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ・・・

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英語版では I mustn’t run away, I mustn’t run away, I mustn’t run away… と言っています。
〜しなければならない、という英語表現には need to〜, should 〜, have to〜 などがありますが、このmust が一番強い表現です。
つまりこの場合だと「絶対に、どうしても逃げてはいけない」という意味になるのですが、これ言ってる途中で舌噛みそうだw


次は様々な場面でシンジに対して使われた、惣流・アスカ・ラングレーのこのセリフ。(初使用は第八話「アスカ、来日」)
アスカといえばもちろん・・・

アンタ馬鹿ァ?

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これは Are you dense? と訳されています。
英語で「馬鹿」って表現は色々あるんですよ。
Stupid, idiot, fool, jerk, moron, donkey, jackass, airhead, bonehead, blockhead, nuts・・・
今パッと思い浮かんだだけでこれだけあります。
日本語でもアホとかマヌケとかの表現があるようなものです。
で、このdense も「馬鹿」という表現の一種なのですが、ニュアンス的には「そんな事もわかんないの!?このバカ!!」といった感じになります。


続いてはちょっと長めのセリフです。
第二十四話「最後のシ者」の渚カヲルの初登場シーンから引用。

歌はいいねえ。
歌は心を潤してくれる。
リリンの生み出した文化の極みだよ。
そう思わないか、碇シンジ君?


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The song is good.
Singing brings joy and revitalizes the human’s soul.
I think that the song is the highest achievement of the lilim culture.
Don’t you agree? Shinji Ikari?


このようになるのですが、日本語と英語版で2行目が大きく変わっています。
英語版のを直訳すると「歌うことは喜びをももたらし、人間の心に生気を与える」となります。
「心を潤す」という表現が英語に直訳不可能だったからセリフを変えざるを余儀なくされたのでしょうが、これはこれで僕は好きです。
こういう湾曲的で小難しい表現をすることで、より一層カヲルの発言に哲学性が増したような気がするので。


ラストは綾波レイのセリフ2連発で締めくくりたいと思います。

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最初は第六話「決戦、第3新東京市」から。

あなたは死なないわ。
私が守るもの。


英語版ではこのセリフは
You won’t die.
I’ll be protecting you.

となるのですが、ここも2行目に注目!
通常こういう場面では I’ll protect you と表されることが多いんですが、このwill be 〜ingという形式を使うことによって、通常の未来系に比べてより強い意志を表すことができるんです。
ということはつまり「私があなたを必ず守ってあげるから」という日本語訳になるわけです。
レイ、英語版だとメチャメチャ積極的ですね・・・。


そして大トリを飾るのは第十九話「男の戦い」の中のこのセリフ

私が死んでも代わりはいるもの

このセリフの後に零号機はN2爆弾持って使徒に特攻、自爆。
日本語版だと上のように多少含みを持たせた言い方になっていましたが、これが英語版になると・・・

If I die, I can be replaced.

「もし私が死んでも、私が補充されるから」とモロにネタバレ!
ファンの人はこの段階で大体の予想はついていたとは思いますが、それにしても気持ちいいくらいのカミングアウトですね。
英語ではこういうケースは文法上、主語が必須になるので仕方が無いんですけど。
それにしても、大事な場面で状況で伏線が張れないというのは製作側からしてみたらかなり痛い話ですよね。
これもアメリカオリジナルの大きなお友達向けアニメがなかなか作られない理由の1つでしょうか。
そういう意味では、日本語ってかなり自由な言語だなぁと。



John Doe


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