●更新日 02/10●
意外な結末
「来年結婚予定の彼が、何の仕事をしているのかわからないから調べて」
相談してきたのは、34歳の風俗嬢。
彼とは、彼が客として来店してきたのがきっかけで付き合いだした。現在は彼女の部屋で同棲中。
最初の頃はデート代を払っていた彼もだんだんと払わなくなり、現在では依頼者が彼に300万円貸している。
さすがに不安になって、仕事のことを聞くと「俺を信用しろ」と逃げられる。
それで、私のところへ来たってわけ。
まずは、彼を尾行、勤務先を割り出すことに。
依頼者が部屋を出た後、彼は黒のスーツで出てきた。
タクシーで向かった先はファッションヘルス。約1時間後に女の子に見送られて出てきた彼は、雀荘へ。
3時間後、さっきのヘルスの女の子が迎えに来て2人でファミレスへ。
2人は付き合っているようで、彼の名前は私が聞いていた名前とは違っていた。
女の子は、「はい、今月の売り上げ」と彼に封筒を渡した。
彼は、「早く2人で店が持てるようにがんばろう。俺もスナックを潰さないようにがんばる」と女の子の頭をなでた。
次の日は、駅前のパチンコ店で遊んだ後、焼肉店で40代の派手な女性と食事。
「最近会ってくれないけど、他に女でもできたの?そろそろ子供産みたいから結婚考えて」
「もちろん!ただ借金が払い終わるまで待って」
2人はそんな会話をしていた。
呆れた私は、その日のうちに依頼者に調査の結果を報告。
彼女は相当ショックを受けたようだが、数週間後になんと彼と結婚した。
「名前も年齢もデタラメだったけど、彼を解ってあげられるのは私だけ。私が風俗で稼いで彼が専業主夫」そう笑って話した。
それから数ヵ月、すっかり忘れかけていた時にスポーツ新聞に2人の名前を見かけた。
記事のタイトルは『夫婦げんかで妻が夫を刺す』
もう随分前の話だけど、あの時は2人のことを思い出し、複雑な気持ちになったなぁ…。
女探偵ノゾミ
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