●更新日 01/04●

働く人の憂鬱シリーズ〜大道具担当の憂鬱〜


テレビやイベントの舞台セットを組み立てる大道具という仕事。
華やかな世界に見える職業ですが、実際はどうなんでしょうか。
今回は、大道具さんならではの裏話を中心に話を聞いてみました。


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この仕事に就いたきっかけは?
たまたま某アルバイト雑誌をみてたら募集してまして、なんとなく面白そうだから面接を受けたら受かったって感じです(笑)

もともと大道具を目指していたわけではないんですか?
はい。
もちろん興味はありましたけど…。

仕事の内容を簡単に教えてください。
簡単に言えば、舞台セットを組み立てるのが仕事です。
それがテレビの収録だったり、どこかのイベントだったり、まぁその日によって違います。

大工さんみたいな感じですか?
大工は壊れないように物を作りますが、私達は撤収することを前提にセットを組むので、似ているといえば似てますが、違います。
もちろん共通点も多いとは思いますが…。

この仕事をしていてよかったことは?
う〜ん…。
慣れるまでは大変ですけど、慣れてしまえば楽しい仕事ってことかな!

大変な事とは?
時間が不規則な仕事なので、それに慣れるのが大変でしたね。
早い時は、1日2時間で仕事が終わることもあるし、3日間徹夜で仕事なんて時もあるし。
それと、私はこの仕事に就くまで、力仕事をやったことが無かったんですよ。
大道具の前は某デパートの店員でしたし…。なので、今思うと始めたばかりの頃は毎日異常な程疲れてましたね(笑)

大道具さんならではの裏話を聞かせてください。
じゃあ、一つだけ。
私が大道具になりたての頃の話なんですが、某テレビ局のという、一般人が参加する結構有名な番組のセットを組んでいた時のことです。
その日は、前日の雨で地面が田んぼのようになってました。それでも収録に間に合わす為に、その日のうちにセットを組まなくてはいけなかったんです。みんな泥だらけになりながら仕事をしてました。
あれは昼過ぎぐらいの出来事でした。私が自分の担当の場所のセットを組んでいると、なんと上から人がまっさかさまに落ちてきたのです。
落ちてきたのは他の業者の人だったんですが、その後すぐ救急車で運ばれました。
そして、30分ぐらい経った頃にその現場を仕切っている人が来て、その近辺にいた人が全員集められ、口止めされました。
大道具になりたての頃だったし、なる前から普通に観ていた番組だったので驚きました。

口止めされるような出来事は結構頻繁に起きているのですか?
そんなには無いですよ。

では、今の仕事に就いて困ったことは?
そうですね〜。さっきも言ったんですが、やはり時間が不規則なことです。
何曜日が休みってのもないので、友達との予定がたてにくい。
それと、仕事柄毎日違う時間・違う場所で働くっていうのに慣れてしまったので、もう今更普通の仕事が出来ない(笑)

最後に大道具をやりたい人にメッセージを!!
僕は、新人の頃よく怒鳴られました。
『習ってないから出来ません』っていうのは通用しません。習おうが習うまいが出来て当たり前です。
初めのうちは、理不尽に感じることも多いと思いますが、がんばってください。


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いかがでしたか?
特別給料が高いわけではないそうですが、夏の忙しい時期とかになると、使ってる暇がないそうで、お金は貯まるそうです。
人の出入りも激しく、楽な仕事ではないようですが、慣れてしまえば楽しい仕事とのことなので、興味がある人はがんばってください。



島 雷鹿


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