●更新日 11/05●

働く人の憂鬱シリーズ〜電車の運転士の憂鬱〜


普段何気なく乗っている電車。
移動手段として、人々の生活にかかせないものである。
しかし、運転する側としては、『ちょっとしたミスが大惨事を招いてしまう』という緊張感のある職業。
憂鬱も多分にあることでしょう。
今回は、某私鉄で運転士をしている方にインタビュー!!


写真 (※写真はイメージです)



運転士になったきっかけは?
高校卒業後、進学するか就職するか迷い、とりあえず両方受けたら、たまたま鉄道会社が受かったので、そのまま就職しました。

運転士として採用されたのですか?
まさかっ!!
経験者でもない限り、いきなり運転士で採用はされませんよ!

ですよね〜(笑)どうやったら運転士になれるのですか?
僕の場合、始めは駅員として働いていました。
その後、自社の試験を受けて車掌になり、しばらく車掌として働いた後に、国家試験に合格して運転士になりました。

長い道のりですね。やはり給料は違うんですか?
もちろん。
駅員から運転士になるまでの間に、だんだんと給料も上がっていきました。

では、この仕事をしていて良かったことは?
平日休みがあることですね。平日に休みがあると結構便利です。
それと、勤務している会社の電車が無料で乗れるのも良かったことかな。

反対に辛いことや困った事は?
出勤時間がバラバラで、慣れるまでは、朝が辛かったですね。
今でも寝坊した夢で目が覚めることがよくあります。
出勤時間もそうですが、休憩時間まで分刻みなんです。(例・休憩23分等)
おかげでプライベートまで時間に細かくなりました(笑)

人身事故についてお聞きしたいんですが、1週間に何回ぐらい起きますか?
ウチはだいたい2〜3回ぐらいですね。

もし、運転中の電車が人身事故を起こした場合どうするんですか?
まず、電車を停めて、死体をどかします。
飛び散った死体も五体満足にそろえます。ここまでは運転士や車掌がやります。
その後、警察の現場検証が始まります。

実際に人身事故を起こしたことはありますか?
僕は今のところありませんが、以前、1日に2回人身事故を起こしてしまった同僚がいました。
その同僚は、ショックでその日から1週間程会社に来ませんでした。
こればかりは、運転士の技術とか経験とかは関係ないですからね…。

人身事故の損害賠償は実際のところ請求するのですか?
めったなことが無い限り請求はしませんよ。

過去に請求した例があったら教えてください。
数年前のことです。
踏切にトラックが突っ込んで、一番前の車両が使い物にならなくなる程の事故がありました。
奇跡的に死人はでませんでしたが、その日はほとんど丸1日電車が運休になりました。
この時は、そのトラックのドライバーの会社に億単位の請求が行ったそうです。

写真

ドライバーも無事だったんですか?
無事というか・・・事故の後に自殺してしまったらしいです。

話を聞いていると精神的にも大変な仕事のようですが、職業病とかはありますか?
そうですねぇ・・・あるとしたら、とにかく時間に細かい仕事なので、仕事だろうが、プライベートだろうが、結局何をやっていても、気がつくと時間を気にしているってことですかね(笑)
後は、職業病とはちょっと違うかもしれませんが、時間に縛られるし、集中力も必要だし、ストレスはたまりますね。

最後に運転士を目指している人々へメッセージをお願いします。
1つのミスが取り返しのつかない状態になることもありますが、その分やりがいもあります。
たくさんのお客さんの命を預かっているので、自然と責任感もつきます。
がんばってください!!



いかがでしたか?
運転士さんは『仕事もプライベートも腕時計と携帯電話は必需品だ』と言っていました。
僕のような時間にルーズな人間(腕時計なんて持ってない)には出来そうに無い職業ですね!
ちなみに、運転士さんは僕との待ち合わせも、時間にほぼ正確に来てくれました。



島 雷鹿


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