●更新日 10/30●
働く人の憂鬱シリーズ 〜イベントスタッフの憂鬱〜
コンサートやスポーツなどの会場やスタジアムで観客の整理や誘導を行うイベントスタッフ。
今回はいっけん華やかに映る彼らの本音に迫ってみたい。
そもそもイベントは毎日あるものではない。
したがって現場にいるのは全てイベント会社の社員というわけではなく、実際にはイベントがあるごとに複数の派遣会社から人員を呼び寄せているのが現状だ。
1社のみだそこドタキャンが多数出ると極端にスタッフが少なくなる。そうなる危惧を見越して数社に依頼するのが普通である。
派遣会社ごとに別々に行う受付け
ではまずは、コンサート関係の元請で仕切りをすることが多いA氏(27歳)に話を聞いた。
この仕事に入ったきっかけは?
「大学を出てプラプラしていたら“好きな芸能人に会えるかも”なんていう求人を目にして、軽い気持ちで始めたんですよ。ギョーカイに憧れもありましたし。ところがコンサートの誘導してても、人気アイドルやグループの客をさばくのに精一杯でそれどころじゃない。関東の主要コンサート会場の出入り口をほぼ覚えて、今はチーフになってバイトを付けてもらっているけど、余裕のない点は一緒ですね」
A氏の現在の身分は契約社員。平均月収は20万円を切るくらいだという。
イヤになるのはどんな時ですか?
「終演後に関係者出入り口を警備補助してたら、出待ち(関係者出口でお目当てのタレント待つこと)の客に“ジャマだよ!”って蹴られそうになったことも少なくないですね」
それでも辞めないのは「現場の緊張感」が好きだからだという。
次は主にスポーツ関係のイベントに派遣されているB君(25歳)の話。
自分でもスポーツをやっているんですか?
「高校までサッカーやってて、今は地元のチームで。勤めてた会社が倒産してしまったので、とりあえず派遣会社に登録しています。Jリーグや国際試合の試合の仕事があるということだったので“金をもらいながらプレーが見られる”と考えていたのですが、仕事中はいかなる場合でも見ることは厳禁というのが残念です」
給料は派遣の各会社に多少のばらつきはあるものの、サッカーの場合はキックオフの5時間前から試合終了1時間強の拘束で約7,000円。プロ野球はそれより安いそうだ。ただし、イベントの場合には昼食が付くのが経済的に助かるそうだ。
派遣だと気楽でいいんじゃないですか?
「そうかもしれないですね。ただ、元請の学生バイトにアゴで使われてると思うと自分が情けなくなります。早く転職先を見つけて、辞めたいです」
ほとんどがバイトか派遣なのが現状
社員、契約社員、派遣、バイトを問わず、今回共通していたのは「コンサートや試合をタダで見たいという気持ちでは、続かない」ということだった。
ラージ・デイブ
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