●更新日 10/19●

働く人の憂鬱シリーズ〜闇金業者の憂鬱〜


闇金といえば、違法な高金利でお金を貸し、人権を無視した取立てを行う裏の世界の住人達。
なんとなく近寄りがたいイメージがある為か、実態を知ろうにも謎が多い職業でもあります。

貸す側よりもむしろ借りる側の方にこそ多くの憂鬱がありそうですが『闇金業者も同じ人間』!

きっと憂鬱はあるはず!

ということで、今回は闇金業者で働く人の憂鬱です。


写真




この職業に就いたきっかけは何ですか?
お金が大好きだからです。単純にお金が欲しかった。


そもそも、どうやって就くのですか?

普通の会社名で、スポーツ新聞などの三行広告に求人が出ています。何をやるかは書いておらず、委細面談になっているのが殆どですね。

写真 スポーツ新聞の広告欄は、怪しさ満点


会社は存在するのですか?
個人でやっていない限りは。表向きは普通の会社名で雑居ビルなどに入っています。で、オーナーがヤクザとか。


仕事の内容を教えてください。
返済期限日のお客さんに電話したり、新規のお客さんを開拓したり、外回りしたりかな。

外回りとは?
営業です。お客に追い込みをかけたりもしますね。

具体的に追い込みの方法を教えてください。
最初は普通に会社やお客さんの家で話し合います。(この段階では、声を荒げたりはしない)
ほとんどはこの段階で解決しますが、それでも返済が無い時は、ちょっとずつ脅しをかけます。

どういう脅しをかけるんですか?
相手の状況によりますね。
例えば、闇金の場合は、家族にさえ内緒で借りに来る人が多いんですが、その場合、家族や会社に電話します。稀にお客さんの会社の取引先に電話することもありますね。

お金を返さず逃げる方もいるんですか?
7割ぐらいは普通に返済してくれます。残りの2割ぐらいは逃げますね。
でも、問題は残りの1割のお客さんです。やけに法律に詳しかったり、弁護士を挟んできたり・・・。
弁護士が関わってくると面倒です。
基本的にはこっちが違法なので裁判はやりませんが、金利を下げられたり、ろくなことが無い。

逃げたお客さんはどうするんですか?
もちろん探しますよ。
こちらもプロですから、だいたい2日以内には見つかりますね。

逃げたお客さんにまつわるエピソードを聞かせてください。
毎月月初めに必ず1千万円程借りるお客さんがいて、その人はある会社の社長夫人なんですが、優しくて人柄も良く、うちとしても良いお得意さんでした。

ある日、いつも通りの笑顔で、いつも通りにお金を借りて行った2日後に突然音信不通になった。
慌てて夫人の自宅兼会社に行ってみると、窓は閉め切ってあり、電気も点いていない。
もしかしたら家の中に隠れているかもしれないと思い呼び鈴を鳴らし続けると、ドアが開いて中からヤクザが・・・。
実はその人は他の闇金業者。夫人は他の闇金からも借りていたわけです。
とりあえずその人と名刺交換をしていったん自分の会社に戻り、慌てて夫人を探しました。
地方の親戚の家にいるところを捕まえて、現在話し合い中です。

この仕事をしてよかったことは?
同級生に比べて、給料が良いってことかな。

では、大変なことは?
電話をかけるのは下っ端の仕事なんですが、上司からまるで脅しのように新規を取れと言われたり、ごく稀になんですが、お客さんが自殺したりと精神的にストレスが溜まります。

困ったことは?
追い込みでお客さんの自宅に行ったら、他の闇金業者がいて、そのままその闇金の事務所に5時間監禁されたことがあります。あの時は困りました。
他には、お客さんの自宅に行ったら首を吊っていたり、手首を切っていたり・・・



いろんな意味でヘヴィな職場ですね。最後に読者にメッセージをお願いします。
くれぐれも借りないように(笑)



いかがでしたか?
給料に釣られて入社する人も多いそうですが、精神的に耐えられず辞める人も多いそうです。
ちなみに、本日インタビューした方も、もう少し稼いだら足を洗うとのことでした。



島 雷鹿


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