●更新日 09/07●
当たり屋裁判
スポーツ新聞で取り上げられてもよさそうなのに、取り上げられないB級事件って、実はいっぱいあるんだよなぁ。
今回はそんなオモシロ裁判第3弾!!
被告人は体格がよくて、黄色いジャージを着た54歳のおじさん。
罪名は詐欺・詐欺未遂。では、事件の詳細を。
被告人は、世田谷区内の住宅街のとあるT字路で、自動車が通過するまで隠れて待機し、自動車が近づいてきたところで自ら衝突して、治療費を騙し取った、という事件。
このご時世に、当たり屋ですよ!!
今時、こんな犯罪やってる人っているのね。個人的にも、7年間裁判傍聴してきて、当たり屋の裁判を見たのは、後にも先にもこれだけ。よっぽど、珍しいんでしょうね。
詐欺罪が成立してる事件は、被告人が車にぶつかると、運転手が降りてきて、
運転手「大丈夫ですか?病院いきましょう」
心配している様子。
病院にいけば、大したケガでないことがバレると思った被告人が、
被告人「湿布貼って自分で治すよ」
と、シップ代1万円を要求し、騙し取った。ずいぶん高価なシップなんだけど…。
これでお金払う被害者もどうかと思うけどね。
詐欺未遂になってる方は、もっとすごい。いつものように走ってきた車にぶつかり、
被告人「示談でいいから、気持ちだけでも…」
運転手に治療費を請求する被告人。
この事故から交渉するまでの一部始終をT字路に面する家の人が、2階から見ていて
“あの人、いつも事故にあってるな”
と、不審に思い、運転手に忠告。そのまま警察へ行って、逮捕された、という内容。
“いつも車にひかれてる”って思われるって、何回くらい当たり屋行為をやってるのかと思ったら、被害届が出てないのを含めると、227回だそうな。いくらなんでも轢かれすぎでしょ。しかも、同じ場所で。
これが本当のダイハードですよ。
裁判は検察官からの被告人質問。
検察官「取調べで227回やったと答えてるけど、実際お金を騙し取ったのは何回くらいなんですか?」
被告人「“警察へ行こう”って言ってきた人には請求してないので、半分以下です」
検察官「総額でいくらくらい騙し取りました?」
被告人「3万5000円ほどしか…」
やっぱり、みんな怪しんでたんだな・・・。
悪いことってのは、そう上手くはいかないもんだ。
車が来るまで待機して、227回やって、3万5000円の収入って、効率悪いよな。
時給に換算したら、もう…。
一番気になるのは“227回”っていう、具体的な数字。
被告人しか知りえない情報だから、日記につけてたんじゃないかね。
当たり屋やった日に“!”とか“¥”とか(笑)
そう考えると、被告人の趣味なのかも知れないなぁ。
世の中いろんな人がいるもんだ。
では、今回はこれにて閉廷!
阿曽山大噴火
|