●更新日 08/29●
危険な芸術
僕には霊感がありません。
数々の心霊スポットにも行きましたが、幽霊と確信出来る物には、未だに・・・。
もしも、この世に幽霊が存在するのなら、1度くらいは見てみたい!!
そんな思いを知ってか、僕の所に、
『亡霊鎮魂式なる、幽霊を供養する儀式を行っている場所がある』という情報が入った。
幽霊の姿が見れるかもしれない・・・
早速、福島県にある某お寺へと向かった。
この寺で、1年に1度、幽霊の供養をしているという。
早速儀式が行われている本堂に入る。
住職が供養のお経を上げている。(供養が終わるまでは撮影禁止になっている)
なにげなく、まわりを見渡すと・・・
幽霊の正体とは、幽霊画のことであった。
ここには、約80点もの幽霊画があり、年に一度供養を兼ねて展示している。
(拝観料は御守り付¥500)
幽霊画といっても、
骸骨の盆踊り
なんとなく、かわいい幽霊画から、
鬼気迫る逸品まで様々だ。
そんな中、一つの掛軸に僕の目は釘付けになった・・・
下の絵である。
この掛軸に他の物とは違う何かを感じ、立ちすくんでいると、住職が、僕に話しかけてきた。
「この絵は呪い殺しの為に、本物の犬と猫の血で描かれているんだよ・・・」
確かに、口から垂れている血の色が、他の掛軸と比べ、あまりにもリアルである。
呪い殺し用の掛軸・・・
まさに背筋が凍る掛軸である。
わざわざ供養するのは、そういう怨念を清める為とのこと。
ただ、住職はやんわりと否定していたが、
供養というより、年に1度の陰干しのような気が・・・
年に1度きり、倉の中から姿を現す幽霊画、
それは、様々な怨念がこもった不気味な芸術だった
島 雷鹿
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