●更新日 08/17●
呆れる裁判傍聴
先日、雑誌SAPIOの取材があったんですよ。
あの手の雑誌で若手芸人がインタビューされるってなかなかないでしょ。
テーマが「この裁判官が裁判をダメにする」。
ようするにダメな裁判官のエピソードを話してくれってことなのよ。
それで、昔の傍聴ノートを引っ張り出して、裁判官の面白エピソード探して喋ったんだけど、ほとんど没でした。
笑える話は必要としていなかったらしい・・・
そんな没になった話の中で、「SAPIO読者は年齢層が高いので」と言われた傍聴記。
罪名は覚せい剤取締法違反。
被告人は22歳の男性。傍聴席には俺を含め3人だけ。
俺以外の二人は、これでもかってくらいに日焼けしたカップルで、今すぐでも雑誌ファインの表紙を飾れそうな風体なんです。
イメージ図
裁判が始まると、彼氏の方は被告人の友達のようで、真剣に傍聴してるんです。
でも、全く彼女の方が興味なさそうなのよ。
そんな彼女の手元を見ると、ケータイでメール打ってるんですよ。
もちろん、法廷内でのケータイ使用は禁止。
っていうか、電源をオフにするのがルールですよ。
「大胆だなぁ」と思っていると、その彼女がケータイを上の方に掲げたんです。
「まさかっ」と思ってたら、――― カシャッ!
法廷内を撮影ですよ。しかも堂々と。
言うまでもなく、法廷内の撮影は禁止。
悪質な場合は、カメラの没収などの処罰が下される。裁判所としては見逃せない重大なルール違反。静かな法廷に鳴り響いた「カシャッ」というシャッター音を裁判官が聞き逃すはずもなく、
裁判官「ちょっと裁判中断してください。今、傍聴席のほうからカメラのシャッターを切ったような音がしましたが。誰ですか?」
と、裁判官がご立腹です。
「これはマズイ」と思ったんでしょう。彼氏が彼女をかばおうと、
彼氏「今のは、ケータイの電源を切ったときの音です。」
咄嗟に出たでまかせとはいえ、騙せない言い訳でしょう。
「これは、ばれて怒られるな」と思っていると、裁判官が、
裁判官「それならいいですけどね。それでは裁判の方、再開します」
そんなバカな。
コレで盗撮成功ですよ。ケータイ切ったときに、「カシャッ」なんて音でないでしょ。
裁判官の中には、こんな世間知らずのヒトもいるんだな。
探偵ファイルを見てるヒトなら、理解できる話じゃないかな。俺が気になるのは、その彼女が
「今、彼のダチの裁判中」
なんていう写メを送ってるだろうってことなんだよな。
そんな写メ、日本で唯一でしょ。
今回はこれにて閉廷!
阿曽山大噴火
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