●更新日 08/07●

障害者、奇形、放送禁止用語の嵐


『そよ風のささやき』

という演劇が、人気を集めているという。
地味なタイトルだが『福祉をテーマにした心温まる感動大作』とのこと。


現地を訪れると、受付の女性が優しい笑顔で
「観劇中は気をつけて下さい」
と、声をかけてくれた。
もう、これだけで心温まる思い。


劇場のある場所は、新宿・小学校の跡地で、手作りのテント小屋。
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中に入って驚いた。
テントの中は天井も、座席もなく、観客がすし詰め状態。


そして開演し、記者は更に驚くことになる。

そこに登場したのは…

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身体障害者、知的障害者、奇形…!

勿論全て俳優だが異様にリアル。
凄まじい演技力と言うべきか…。

しかもテント内を縦横無尽に暴れ始める!
受付の女性が言った「気をつけて下さい」の意味と、座席が無い理由が分かった…。
とにかく逃げながら観るしかない!


物語は障害者の作業所で働くヒロインと元地上げ屋のラブストーリー。
確かに福祉は関係しているが…。

「カタワ!」
「川向の動物解体業者の息子!」


強烈なセリフが飛び出す。

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少女の体から内臓を引き出す、
障害者達が障害者をリンチし虐殺する、

その他、放送禁止ネタのオンパレード。

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更に、食品等あらゆるものが場内を飛び交い、突然大量の水が放水!
逃げ切れない客はビショ濡れに。

もう逃げすぎてヘトヘト…。

劇場の外では、ご丁寧にも熱中症予防の氷が売られていた。
上演中から場外でダウンしている観客も見かけられた…。



この劇団『ゴキブリコンビナート』といい、
その過激さでカルト的人気を誇るも、数々の劇場を追放されている。

今回も劇団名を変えて

「トレンディドラマ風の感動的な芝居をする劇団です」

と言って会場側に申請したという主宰のDr.エクアドル。

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物語に障害者等が登場するのは 「強者と弱者、屈辱感を生む上下関係を分かりやすくする為です」と語る。
確かに、この『そよ風のささやき』、上演中は滅茶苦茶な状況になったが、内容は不思議と把握でき 、驚かされた。

それにしたって、この日吹いた“そよ風”は“台風”級の衝撃だ。



リ・コウジ 写真


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