●更新日 07/19●
薬物闇取引現場で売人に直撃!
都内某公園。
Aは40歳前後の男。
一目見れば、いわゆる普通のサラリーマンではないと分かる。
目は精気がなく淀んでいる。
Aが鞄の中から錠剤を取り出した。
「1錠1500円ね」
Aは薬物の売人。
しかし売っているのは麻薬でなく、病院で処方される『処方薬』。
この白い錠剤は
『リタリン』
日本ではあまり処方されなくなったが、鬱病、ナルコレプシー(睡眠障害の一つ)の薬。
この『リタリン』は服用すると、覚醒、気分高揚、多幸感、万能感、爽快感などが得られる。
「覚せい剤と同じような作用があるよ」
Aの談である。
リタリンは本来、医師の処方箋がないと入手できない。
そこで、闇取引が行なわれている。
リタリンの不正販売は『薬事法違反』等の犯罪にあたる。
▲偶然近くをパトカーが通過する
Aも医師の処方箋がない為、1人でリタリンを仕入れることはできない。
どうやら組織の存在があるようだが、そのことについて聞いてみると
「それは絶対に言えない。そんなこと言ったらどうなるか分からない」
とにかく怖ろしい組織であることは確かなようだ…。
『処方薬』という安心感がある為か、興味本位でリタリンを始める人も少なくない。
「客は色々。学生もいれば社会人もいる。街角で売っている脱法ドラッグより効くからね」
中には当然、依存症になる者もいる。
かつてリタリンを服用した人の話によると
「砕いてパウダーにして鼻から吸うとコカインに近いです。やはり依存はありますね」
東京都立精神健康福祉センターによると、リタリンには他に性欲、食欲減退、幻覚、離脱症状等の副作用もあり、
「ある人は乱用を急にやめたところ、ショック状態になり危険な常態になりました」
と、乱用がもたらす身体への影響は決して少なくない。
このような薬の取引が、公園という他に人のいる場所で白昼堂々と行なわれている。
地獄へと続く恐ろしい『薬物中毒への落とし穴』。
それは意外と近くに存在する。
リ・コウジ
|