●更新日 06/28●

フランス、逆転でベスト8に勝ち名乗り


決勝トーナメント1回戦
スペイン(H組1位) vs フランス(G組2位)
         1 − 3



圧倒的な攻撃力で、1次リーグを首位で突破して勢いに乗るスペインに対し、最終節の勝利で辛くも決勝トーナメント2位通過を決めたフランス。

フランスの主将ジダンは今大会終了後での引退を表明しており、ここからは毎試合が敗戦=その場で引退、ということになる。
累積警告での欠場明けで休養十分となるこの試合は、AWDアレーナに集まった全てのフランスサポーターが彼のゴールを期待している。


前半スタートから互いにゴール前までボールを持ち込む激しい展開が続く。
8分にはフランスがジダンのCKで、続く9分にはスペインがDFペルニアのFKで敵ゴールを脅かす。

ゴールエリアまでボールは届くものの、どちらも得点が奪えない状況だったが、28分に試合が動き出した。
スペインはペルニアのCKからエリア内に詰めていたパブロがボールを奪う。これをフランスDFテュラムがバックチャージ。このプレーがファウルを取られ、フランスは痛恨のPK献上。

GKバルテズは反応したものの届かず、FWビジャはゴール左隅にグラウンダーできっちり決めて先制点。

早めに追いつきたいフランスだったが、この後は両チームともに中盤での奪い合いに終始し、シュートまで至らない。

ところが41分、フランスは右サイドでMFリベリーがビエラとの大きなワンツーで2列目からDFラインの裏を突破。左サイドに流れながらGKカシージャスもかわしてボールをゴールに流し込み、最高のタイミングで同点に追いつく。


後半に入ると追加点が欲しい両チームはラインの裏を狙いあうが、決定的なチャンスを作れない。

7分、フランスにチャンスが生まれる。
ジダンからの柔らかい浮き球のスルーパスにマルーダがループ気味のボレーシュート。これにカシージャスがしっかりと反応しボールをかき出す。

15分と23分には今度はスペインが得点のチャンス。
ゴール前で体をぶつけ合う激しいポジション争いをギリギリでフランスが制し、スペインに追加点を許さない。

延長戦を意識し始める時間帯となる38分、ジダンが右からのFKをゴール前に蹴りこむ。
スペインMFシャビ・アロンソのクリアボールは、ゴール目の前に居たビエラの頭上に流れ、ビエラはこれを落ち着いてヘディングシュート!
セルヒオ・ラモスのクリアも間に合わず、ついにフランスが逆転。

何とか同点に追いついてまずは延長に持ち込みたいスペインだったが、ロスタイムに絶望を味わされる。
フランスはやや左サイドでインターセプト、ここからワンタッチパスに反応したジダンが抜け出す。
ジダンはゴール前でプジョルを切り返しでかわし、GKカシージャスの位置を確認してシュート!
これが見事に決まりスペインの息の根を止める3点目。ジダンを中心に歓喜の輪が広がる。

試合はこのまま3−1でフランスの勝利。
最後の輝きを見せたジダンの雄姿がまだ見られるのは、世界のサッカーファンにとって至上の喜びといえるだろう。

準々決勝の相手はブラジル。8年前の優勝メンバーであるビエラ、ジダンの好調ぶりを見れば、フランス大会決勝戦の再現は可能性十分だ。



ヤマダ


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事