●更新日 06/27●

延長戦でも決着つかず、PK戦でウクライナ勝利


決勝トーナメント1回戦
スイス(G組1位) vs ウクライナ(H組2位)
        0 − 0
     (PK 0−3)



初戦でスペイン相手に惨敗を喫したワールドカップ初出場のウクライナ。
その実力は評判倒れかとも思われたが、残り2試合を連勝で乗り切り、決勝トーナメントにしっかりと名を連ねてきたあたりはやはり侮れるチームではない。
対するスイスはグループGではフランスを押さえての首位通過。
無失点での決勝トーナメント進出は16チーム中、スイス1チームのみであり、その守備力の高さが生かせる展開に持ち込めば、上位進出も十分に期待できる。

両チームにとっては中二日の非常に苦しい日程となったが、ナイトゲームということもあり気候的には問題なし。
どちらのイレブンも、イタリアの待つ準々決勝へ向けて気合の入った表情で入場してきた。


キックオフから両チームともにコンパクトな中盤で、相手の良さを消しあうような試合運びを見せる。
少ないチャンスを確実にものに出来るかどうかが勝利へのカギとなるが、その最初の決定機はまずはウクライナから。

20分、カリニチェンコのFKがゴール前に入り込み、うまくDFを振り切ったシェフチェンコがダイビングヘッド!
しかしこれはワンバウンドでクロスバーに当たり得点ならず。

スイスも23分、FWフライが今大会得点シーンの多く出ている良い位置でFK。
早い弾道で飛び出したボールはこちらもクロスバー直撃!

両チームともに惜しいチャンスを逃し、結局無得点で前半を折り返す。


後半に入るとまさに一進一退の攻防。守備力・組織力ともにがっぷり四つの戦いを見せる。
要所要所でどちらにもチャンスは生まれるものの、守備陣の集中で決定的な仕事をさせない。

試合はこのまま0−0のままタイムアップ。
90分を終えて両チームともにオフサイドなしという非常に珍しい試合となった。


延長戦に入ると、さすがに連戦の疲労の色がありありと浮かんできた両チーム。
何とか前にボールを進めようとするも、前後半ともに膠着した状況が続く。

120分を戦い抜いた両チームだったが、お互いのゴールを割ることなく試合はPK戦へ。
PK決着にもつれこむことが決まると、ラインエネルギエシュタディオンにはタイミングよく『ケ・セラ・セラ』が流れ、観客席のあちこちで歌声が響く。
ここまできたら、選手たちはまさに『なるようになる』という心境だろう。

ウクライナの1本目は絶対的エースのシェフチェンコ。
フラッシュの放列の中で蹴られた弱めのボールは、GKツベルビューラーが弾き返し、シェフチェンコまさかのPK失敗!

しかし続くスイス1本目のシュトレーラーのシュートは力なく、ウクライナGKショフコフスキに阻まれる。

2本目3本目を確実に決めてきたウクライナに対し、スイスは3人目まで誰ひとりゴールを奪えない。
最後はウクライナ4人目グゼフがきっちりゴールを決めて、長かった一戦もこれで終止符。

非常に苦しんだ試合だったが、最後の最後で喜びを爆発させたウクライナ。
次は中3日と厳しい日程が続くが、ここまで来たらもはや頂点を目指すしかないだろう。



ヤマダ


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事