●更新日 05/20●
裁判傍聴レポ 〜“常習累犯”
今回は3年ほど前に傍聴していまだに印象深い裁判の話。被告人は29歳の男性。
罪名は『常習累犯窃盗』
窃盗の意味はわかるとして、その頭についてる“常習累犯”と簡単に説明すると、過去10年間に3回以上同じ罪で刑務所に入った人に対して適用される罪名なんです。要するに常習犯なわけ。単なる窃盗とは罪の重さが違うんです。
TOYOTA、HONDA、MITSUBISHIなど、自動車販売店に深夜忍び込み、事務所内の物を盗んだという事件なんです。
よくある泥棒かと思いきや、盗んでるものが一味違う。
人がいない事務所とはいえ、危険を冒してまで盗んだのが、現金や金券などの金目のものじゃなく、非売品のグッズ。
自動車メーカーのロゴが入ったストラップとかタオルとか…。
面白かったのが被告人質問。
検察官「あなた、以前にも同じようなことやって捕まってるわけでしょ。なんで毎回車の販売店なの?」
被告人「自動車メーカーのグッズを集めるのが趣味なので…」
なんと、過去に逮捕されたすべてが非売品のグッズ泥棒なんです。コレクターもここまでくれば、ある意味あっぱれ。刑務所に入ってまで、欲しいものってあるんだな。
次は裁判官からの質問。
裁判官「同じことの繰り返しですが…。これを最後にやめないと、刑務所を出たり入ったり出、あなたの人生終わっちゃいますよ。まだ若いんだから」
被告人「はい、申し訳ありません」
裁判官「今後、このようなことはしないと、この場で誓えますか」
被告人「はい、もう二度としません。すいませんでした」
発言だけを聞くと、心底反省しているようなんだけど、被告人の着ているトレーナーの背中には大きく“ダンロップ”のロゴマーク。
これはどう考えても反省してないでしょ。拘置所に入ってもそんな服着てるんだから。
しかも、背中にプリントされてるから、ダンロップのロゴマークは裁判官からは見えないんだよね。
傍聴席から見てるオレとしては、「志村、後ろ!後ろ!」って叫ぶ子供の気持ちですよ。
いろんなマニアがいるのは知ってるけど、ここまで意志が強いとまた再犯してしまうんじゃないかと不安だ。
では、今回はこれにて閉廷!
阿曽山大噴火
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