●更新日 05/08●

反政府抗争のいま 〜公安部隊の手口〜


三里塚



その昔、成田空港の建設に際して、
地元農民達と新左翼派による『三里塚柴山連合空港反対同盟』が 国と激しい闘争を展開した激戦地。
空港建設に際して事前説明や代替地も用意せず、交渉すら行なおうとしない政府に彼らは反発した。

闘争開始からすでに40年、ご存知の通り空港も開港しているが、千葉県成田市三里塚では今でも反対同盟が集会を行っている…



4月某日、旅客機が轟音をたてながらすぐ上を飛んでいく空港の隣の出荷場。



記者が集会場所に到着すると、そこでいきなり、帽子にマスクのあやしい集団と遭遇することとなる…



この風貌、まさに反対同盟の方々か!? と思われたが、違った。
なんとこれが公安の人達であった。


右左翼やスパイの対策をする特殊組織、
つまりは国の部隊だ。

公安から大量のデジカメ、ビデオカメラが記者に向けられる。

恐らく映像は資料として残るのだろう。
※ こちらも上の写真を撮影すると図らずも撮影合戦に発展
  タオルを巻いた公安に睨まれる




そして集会場の中、こちらこそが反対同盟の方々であった。

戦士達も高齢化が進んでいる為か血気盛んな雰囲気は皆無。
この時点で、一体どちらが反体制のゲリラ組織なのか、倒錯した気持ちになったというのが正直なところだ。

この後、デモ行進に帯同。

歩道にいる人達は皆公安

まずデモ隊を監視する公安、機動隊の数がデモ隊より多い!
そしてなんと空にも監視のヘリコプター!

闘争が激しかった時期は、機動隊との衝突で重傷者や起訴される者も出たというが、
三里塚闘争も先細りの一途を辿っている中、この大掛かりな監視体制。

こんな画は、映画の中でしか見られないと思っていた…

この圧倒的な戦力差、
行進中、すぐ後ろの機動隊隊長も

 中央の線をこえないで下さいね〜
と余裕の挨拶。
監視されているというより、むしろ守られているという安心感さえ感じそうだ。

何人かの公安はバインダーに何やら書き込んでいる。
手元を覗いてみると、意外にも! 何も書いていなかった。
彼らも給料をもらっている身分、仕事をしている振りをしていたのだろうか。

ともかく、ここまで徹底的に囲い込まれては激しい闘争を起こせるはずもない。
この後集会は解散となった…




そして帰りの駅で。

視線を感じた記者、後ろを見ると男達がいる。
カメラを向けるとサッと柱に身を隠す。
公安の方々だ…。

しかも改札までではない。

律儀にホームまでお見送りに来てくれていた。
この手を抜かない仕事振り。


今回、伝説の抗争の現場へ取材を試みた記者としてはいささか拍子抜けであったが、
公安部隊のやり口・執拗さを肌で感じ、苦い気持ちを感じた。

もちろん、万一の国内テロの事態にあのふてぶてしさで制圧してくれれば良いのではあるが。



アナーキー・イン・ザ・Li.K(リ・コウジ)


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