●更新日 05/04●

GW特集 断末魔が聞こえてきた殺害現場


この踊り場は1年前に起こった凄惨な殺害事件の現場である。

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写真は当時撮ってきたもの。
取材したが特に報道以上の大きなネタが取れずパソコンに眠らせたままにしていた。
しかし記者はこの現場が忘れられない。

加害者の笹島弘法は、被害者となった男子学生Aさんから執拗な猥褻行為を受けていた。
「口に陰茎をねじ回すように入れてきた」「口内射精された」「手こきを強要された」「その画像をネットにばら撒くと脅された」など、笹島が法廷で証言した内容は誰もが仰天する過激さであった。

「このままではずっと彼の空気人形になる」と思った笹島は、殺害して放火することを決心。
一時帰宅後オイルを持ってマンションに戻り、台所にあった刃物でAさんを襲ったが、反撃にあい放火は失敗。
この時Aさんは部屋から逃げ出し下の階へ降りようとしたが、後ろから襲ってくる笹島から逃れられず、顔や心臓など約20カ所も刺され死亡した。


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▲Aさんはこの階段を必死に駆け下りたが、最後は捕まり殺された。

報道によれば当日はAさんの「ギャー!」という声が聞こえたという。
昼間でも足音の響く静かな現場では、今にもその断末魔が聞こえてくるようだった。


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笹島の両親は事件後、当時の住居からすぐ出て行ってしまった。
近所づきあいのありそうな住宅街であったが、実際近所の人とはあまり付き合いもなかったようだ。


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   ▲表札は隠していたが文字が浮き出ていた。

今年に入り、笹島に判決が下された。
懲役11年である。

下山裁判長は「確定的な殺意に基づく、執ようで残虐極まりない犯行」とし、「密室内の出来事で信用性の検討は困難」としながらも「経緯に斟酌(しんしゃく)し得る事情がある」などと量刑理由を述べた。


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ある意味被害者にも加害的側面のあった複雑な事件。
被害者宅前には花が置かれており、壁にはAさんの母親から「いつも美しい花をありがとうございます」と記した手紙が貼られていた。




カグウェル


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