●更新日 04/29●

裁判傍聴レポ 〜わいせつ図画販売目的所持


今週からは、実際に傍聴した話を。


今回の罪名は『わいせつ図画販売目的所持』です。

写真

被告人は30歳の男性。
この『わいせつ図画販売目的所持』っていうのは、裏ビデオやビニ本といったモザイクやボカシが入ってない物を売ろうとしていたという罪なんだけど、実際のところ、そんなのを販売してる店ってたくさんあるんですよね。これは繁華街の一斉摘発の時や、稼いで店をつぶすために逮捕する、いわゆる“見せしめ逮捕”のケースが多いんです。

今回の被告人はなぜ逮捕されたのか?

それは、裏DVD99枚をJR神田駅付近の路上で販売してたから。
これはいくらなんでも目立ちすぎ。逮捕してくださいって言ってるようなもんでしょ。

写真 イメージです

なんで路上で販売するようになったのかは冒頭陳述で明らかになるのです。
深夜、被告人が秋葉原を徘徊していると、氏名不詳の男が近づいてきた。

氏名不詳の男「何かやらないか?」
被告人「はい」

これで契約成立。フタを開けてみれば、裏DVDの路上販売だったと。

真夜中に「何かやらないか?」って見知らぬ人に声欠けられたら普通逃げるでしょう。
何も聞かずに「はい」と答えられえる勇気がすばらしいね。
っていうか、何の疑問もなく「はい」って答える被告人を見て、氏名不詳の男もあせっただろうな。


で、裁判の話はここから。検察官は本件の裏DVDが、いかにわいせつであるかを立証するわけです。

検察官「まず、写真1が性交シーンです。写真2が男女の性器の画像。写真3がフェラチオになります」

傍聴人としては、その画像は見れないんだけど、検察官も大変だよなぁ。
仕事とはいえ、裏DVDを見て、問題のシーンで一時停止してプリントアウトして、一番わいせつな場面を選ぶんだろうねぇ。


で、ここでアクシデント発生!検察官が写真4を読み上げたときのことです。

検察官「えー、次が写真4、クリーニングスの写真…?ん?クリーニングスの写真です」

写真
DVDの閲覧に集中してしまったためか、書類を作成した人が、クンニリングスクリーニングを打ち間違ったようです。

検察官のミスはもうひとつあって、

検察官「被告人から押収したDVDのタイトルで“コスプレ末広奈緒”とあるのを、“コスプレ広末奈緒”に訂正します」

と、申し訳なさそうに訂正。ま、どっちでもいいんだけどね、そんなのは。

写真
▲レバニラ?ニラレバ?
余程、適当に書類を作ったんでしょう。


弁護人から情状、検察官からは罪の重さに関する被告人質問がされて、裁判官からの質問です。

裁判官「こういうのを認めてたら、性に関することがメチャクチャになってしまうわけですよ」
被告人「すいません…」
裁判官「販売してただけなんだけど、喜んで買っていく人もいるし、大して悪いことじゃないだろうなって思ってたんじゃないの?」

この質問は、被告人が反省を述べるチャンスですよ。この問いに対し被告人は、

被告人「はい!」

元気よく答えていました。まるで、氏名不詳の男の「何かやらないか?」に答えるかのように。すると、裁判官は呆れた顔をして

裁判官「あんた正直だねぇ」

正直というか、何も聞いてないよというのか…。


最後に求刑です。

検察官「求刑!被告人には罰金50万円が相当と考えられます」
裁判官「ただ今求刑が出されました。」
   「刑務所へ行く懲役刑ではなく、罰金刑がいいだろうということです。」
   「被告人、最後に何か言いたいことはありますか?」

被告人「社会復帰したいです」

だから、刑務所に行くわけじゃないんだってば。やっぱり、人の話聞いてないよなぁ。
言ってることも、売ってる場所もちょっと変な被告人でした。



では、今回はこれにて閉廷!



阿曽山大噴火 写真


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