●更新日 01/12●

快進撃!戦艦大和は獅童が浮かせる!


思いのほか、と言っては失礼だが映画『男たちの大和/YAMATO』が大ヒットしている。
年末の公開以降、年が明けても勢いが止まらない。
現在週間チャートで2位、今月8日には興収25億円、動員数200万人を突破したという。
これは東映映画としては近年にないヒットぶりである。

最近の日本のヒット映画といえば、「セカチュー」や「電車男」、「ALWAYS」など、すべて東宝映画。
東宝に追いつき追い越せとばかりに東映も期待作を次々に送り出していたが、なかなか実を結ばなかった。
しかし今回の大和は東映史上最速のスピードで動員数を伸ばしている。



   ▲昨年8月に行われた記者会見、大和の模型と出演者ら。


東映はどちらかというと、「作り手の作りたい映画を作る」映画会社だ。
それゆえ石原都知事の無茶な企画も通るような門戸の広さはあるが、なかなかヒット作が出てこない。
今回、エンターテイメントに固執しない「大和」がヒットを飛ばしているのは、日本人が大和に特別な想いを抱いているからだろう。
角川春樹は1000万人動員を目指しているというが、どこまで伸びるのか。

あとこの映画を見て気づくことがもう一つ。。。



エキストラを含めた全出演者の中で、この2人の演技が一番ヘタクソに感じるほど、俳優陣が洗練されているのである。
しかも2人の名前は一番上に出てくるが、ストーリー上は実は主人公ではなかった。
物語の中心は若手俳優・松山ケンイチであった。

井筒監督は「遊覧船のような戦艦にピンボケCG、悲しくなるほどショボい」と東スポ紙面で語っているが、その指摘はあながち間違っていない。
確かに船体は一部しか映らないし、見ていてCGだとすぐわかる。
しかし題材も難しく角川本人も15億円の私財を投入しているだけに、記者が試写会で見たときは「よく作ったなぁ」という印象のほうが強かった。

井筒監督のように細部が気になってしまうという人には、大和の迫力より中村獅童の迫力に注目してみることをオススメする。
一人だけ歌舞伎をやっているのではないかと思えるほどで、大和が沈んでも中村だけは浮いていた。



カグウェル


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