●更新日 10/06●

狂気か?芸術か?異形アパートが患者を救う


東京都杉並区に“異形”のアパートがあるとの情報をキャッチ!
早速現地へ。

教えられた住宅地の中を進んで行くとその異形の姿が現れてきた。
かなり古そうなアパートだ。

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“異形”のアパートは緑の網で覆われ、木の枝や植木、造花、鳥かご等で乱雑に飾られている。

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いくつかある鳥かごの一つには、実際に鳥もいる。
インコの人形やリスの置物等も置かれている。
吊るされた赤いひょうたん。

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そして中央に掲げられた原型の崩れかかった天狗の面…

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確かに住宅地に不似合いで異様な雰囲気を醸し出している。

散歩中にこのアパートの前を通った人は

「狂人か芸術家が住んでいるのかもしれない」

と話す。

しかし近所の人に聞いても、このアパートにどのような人物が住んでいるのかは

「分からない」

との答え。

ポストの名札を見ると住んでいる人はいるようだが、住人は皆不在…。

このアパートを管理している不動産屋を調べ行ってみると主人が教えてくれた。
あのような飾り付けをしたのは狂人でも芸術家でもなく、

「80歳位のおじいさんです」

そのおじいさんは、仕事をセミリタイア後、望郷の念がつのり、故郷の自然をイメージしあのような飾りつけをしたのだという。
この不動産屋にも許可を得ているそうで、

「おじいさんも近所の人の迷惑にならないように気をつけていますし、とても常識のある人です」

とのこと。

そしてこのアパートがあのような姿になったのにはもう一つ意外な理由があった。

「あのアパートの近くに病院があるんです」

その病院に入院している患者さん達が看護婦さんと一緒に散歩で、このアパートの前を通りかかったときとても喜んだという。
それがきっかけで、おじいさんは患者さん達をもっと楽しませる為に飾り付けをし続けた。

「そして、その患者さん達が元気になっていったんです」

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凡人にはわからないこの造形。
望郷の思いが、心と体を癒してくれるのだろう。



li.kouji


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