●更新日 07/17●
体は死すとも破壊王は死せず
やさしい奴だった。
と、口を開いた皆が異口同音に語った。
11日、脳幹出血のため亡くなった橋本真也さん(享年40)の通夜が横浜市内の斎場で行われ、彼の死を悼むファンや著名人が大勢訪れた。
その数、約2千名。その人数の多さにさすがの報道陣も色めきたった。
献花者名簿にもそうそうたるメンバーが名を連ねた。
猪木、坂口、藤波等のプロレス界の重鎮はもとより、長嶋茂雄、花田勝、松平健など話題の人物も。
勝俣州和は「豪快な人でした。普段もプロレスラー橋本真也を実践していた」と終始沈鬱な表情で亡き親友について語った。
「プライベートで食事した時、すごく周りに気を遣ってくれた」とその体格からは信じられないくらい小さな声で報道陣の質問に
小橋健太は力なく答えた。
角田信朗は「繊細でやさしさの滲み出るような人柄だった」と彼を評したあとこう続けた。
「ひょっとしていつか拳を交えることになるかも知れないね。
そうなった時は、僕らならいい試合出来るかも知れないねという話をしてたんです」
また、イベントで何度も接したことがあるという熱烈なプロレスファンの母娘は、その時の様子を語ってくれた。
母「蹴りの響く音が観戦してて忘れられないくらい凄かったですけど、お会いすると本当にいい方でした」
娘「小5からのファンで何回試合を観に行ったか分らないほどです。イベントでは優しく接してくれました」
角田信朗は、しみじみ語った。
格闘家っていうのは、リングの中では誰よりも荒ぶって誰よりも猛々しいんだけども、リングを降りれば誰よりも繊細で誰よりもナイーブな人種だと思うんですね。
豪快なファイトスタイルとは反面、普段から皆にとても優しく、誰からも愛された男橋本真也。
彼はもう二度とリングにあがることはない。
しかし、彼が残した功績および遺志は後の者が引き継いでいく。
それがある限り、
心優しき破壊王橋本真也はファンの心から消えることはない。
ぽん
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