●更新日 05/16●

FIFAの決定2  不服


昨日の続きです


北朝鮮は国際サッカー規律委員会に主張しました。「暴徒化ではない。私たちは審判員の偏見行為に対して抗議しているのだ。それを暴徒化だの暴動だのと言われるのは非常に心外である。」

北朝鮮からすると、審判員の偏見による判断に対しての”抗議”であるのに、こちら側の言い分に耳も貸さず、”抗議”をハナから”暴動”と判断し、規律違反なので処分するというのは、あまりに非道ではないかということなのです。

また、北朝鮮は試合の記録を規律委員会に提出しているのですが、この際、規律委員会は北朝鮮側の代理人を呼び、審判の行為に対する北朝鮮側の要求を受け入れるとの姿勢を示しました。ですが、姿勢は示したものの、審判への罰則は特になく、北朝鮮への罰則だけが適用されることになりました。


写真


北朝鮮の訴えている審判員への不服内容は、以下の通りです。
3月25日に行われた、バーレーン戦の際、バーレーン側ゴールポスト手前11m区域で、タイの審判員が2度ファールを見逃していること。そして5日後のイラン戦で、スリアの審判員がまたもゴールポスト手前11m区域で、ファールを見逃したことで、北朝鮮側に火がついてしまったのです。尚、お隣、中国中央TVは、この時の試合をこう報じています。・・・朝鮮の選手がイラン側11mゴール区域に差し掛かったとき、イランのDFによって倒されました。この反則をスリアの審判員は反則とせず、試合を続行するよう指示しました。これを不服とした朝鮮の選手たちが審判を非難し、場内からも非難の声が殺到。会場は一時騒然となりましたが試合は最後まで続行されました。不公平極まりない規律委員会の行為は、北朝鮮への偏見である。今までのサッカーの歴史に、このような実例がかつてあっただろうか。万が一、規律委員会が審判の反則行為を見て見ぬふりをするのなら、今後のサッカーの歴史において、FIFAは自らの手で汚点を作ってしまったことはいうまでもない。


 ヨーロッパの試合を観てもわかるように、ファンが熱を上げて観覧している最中、審判のありえない判定により興奮し過ぎて暴れたりするケースをよく目撃します。イギリスのフーリガンは世界的に有名な暴動団体です。日本も、日本代表が連敗を続けたとき、ファンが選手たちのバスに向けて卵を投げたり、渋谷で騒動を起こした事だってあります。それなのに北朝鮮のファンがイランとの試合で暴れたからといって第三国で競技を行うのは、北朝鮮の自尊心をあまりにも無視した行為だといえますし、たとえ北朝鮮がボイコットするようなことが起きても、それは異常ではなく、むしろ当然だといえます。もし日本のファンが審判の判定について意義を唱え暴れて、これをみた北朝鮮が「日本は危険な国だから第三国で試合をしろ」というならば、日本は黙ってはいないはずです。相手方を無視してでも勝とうとする日本側の考えはスポーツマンらしくありません。また、日々報道される過剰なまでの北朝鮮バッシングにより、日本は自分の首を自分で絞めてしまっていることに気づかなければなりません。このままでは、アジアで孤立するのは間違いなく日本です。



試合の前から罰則を受け競技に臨まなければならない選手たちの心情はどんなものでしょうか・・・。








安 今日子


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事