●更新日 04/02●

MIKAMI様のDDT観戦レポ プロレス玄人編


今回は前回とは打って変わって、プロレス玄人向けの観戦レポをお届けする。前回のレポと併せて読んで、プロレスの様々な楽しみ方を味わって頂ければ幸いだ。


第一試合 蛇イアントvs高梨


セミメインに関してはいろんな所で語り尽くされてると思うので、第一試合のこの試合を徹底的に斬る。個人的に注目していた試合だったので特に詳しく書くが、書いているうちに辛口になってくるかも。



<第一試合出場選手>

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蛇イアント
195cm、110kgという、インディーズ離れした恵まれた体格が最大の武器。
DDT期待の大型新人だったが、誰もが予想しえなかった正規軍離脱⇒蛇光教団参加(入信?)。その後は教団の先鋒として最前線で戦い続ける。

近頃は“世界の巨人ライク”な赤パンツ姿でリングに上がり、王道殺法を駆使したファイトを見せている。

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マサ高梨
小柄な体格ながら、小気味の良いファイトで常に観客を温めている。
軽快な空中技や、一瞬の丸め込みテクニックなどが高く評価されている選手だ。
近頃は興行中に流される映像に怪しいリポーターとして登場する事が多く、新たな魅力(?)を振りまいている。


若手の中でも特に石川(蛇イアント)は普段から気になる存在で、とにかく羨ましいぐらいの体がある。だからもっと上を狙えるのに、飯伏にコロッと負けたりして伸び悩んでるのがチョットもどかしい。実際は若くないけどね。

この日は二人に後ろのお客さんまで伝わるプロレスをやってくれと言って、南側の最後部から観戦。

気付いた人がどれくらいいるかわからないが…石川がリングインする際、高山ばりにロープを押し下げ右足を上げる。一部のお客さん一瞬オッとなったが結局またがず。

レフェリーがボディチェックをしている最中も、長身をアピールすべく高梨に対して手を高く上げたり「見えない」ポーズで挑発。だけど残念ながら伝わってこなかったなぁ、目をゴシゴシ擦って何やってんだろうとしか思われないな。

実はこれらの試合開始までの一連のアクション、俺が石川に進言したもの。アイツ試合になると動きが小さくなっちゃうから、景気付けにチョットやってみと。俺が石川だったらとっくにこういうコトやってると思うけどね。

確かに自分がやろうとしてる事を100%お客さんに伝えるのは難しい。でも人の1.2〜1.5倍ぐらい体がでかいんだから、リングインもそうだけどやるならもっとゆっくり、大げさなぐらいに動かないと。石川の動きが多少スローでも誰も文句言わないって。南の後ろまで伝わるように、絶対に小さくまとまるな!って言ったんだけどなぁ。

高梨はエプロンからハリケーンラナ。軽量級の選手ならではのダイナミックな技なんだけど、気持ち大事にいったように見えたね。ダイナミックな技はダイナミックに飛んでこそ。せっかくそこで凄い技をチョイスしたんだし、目標(石川)は大きい。飛ぶ前に腰がひけるのはオレもあるから分かるが一度踏み切ったら最後、後には戻れんのだ。ドーンといこうや、高梨。

石川のジャンピングニーが顎の先端にヒットすると「オーッシ!」。オーシって…オーじゃないのか?それでいいのか?いいならいい。

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さらに高梨のダッドリードッグを堪えてそのままホイップした場面では、思わず往年の鶴田vs菊地戦を思い出した。

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石川、抱え込み式のバックドロップを見せるが実はこの後にも横抱き式のバックドロップを出している。抱え込み式は痛め技のつもりかも知れんがG・浜田さんみたいにジャンプすれば、破壊力抜群でアイツの高さなら終盤でそれ食らったら一発でアウトになるかも。落差があると受け身のタイミングが難しくなるから絶対食らいたくないけどね。だから横抱き式を使う必要はないと思うね。コレもあの人を意識してるのか?

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体格差を利用した拷問コブラはいいね。やっぱりあの人の技か。だったらいっその事赤タイツもやめたらどうかと。そういう憧れの選手を意識するのはいいと思うよ。いいんだが、なら徹底的にやれと言いたい。ファンは、リング上の選手のこだわりやポリシーを感じて応援したくなるんじゃないか?オマエはどっちなんだよ!ってみんなに思われてるぞ多分。

石川、コーナーに串刺し式の15文キック。結論から言えば、この日のフィニッシュはリング中央でのこの技だった。この技で勝ちたい、と大切に考えてるならココは温存だった。技に頼らなくてもデカいんだからパンチやチョップやキックだけでも充分。俺ならココは串刺し式の脳天チョップだな。痛そうだから食らいたくないけど。

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高梨、エプロンに出る時の素早いフットワークはヤツらしくていい。が、そこからのスワン式ミサイルキックはやはりダイナミックさに欠けた。ミサイルキックは高さか速さかどちらかが欲しい。軽量なら特に。スワン式なら勢い重視でピャーッと乗ってバチーンと胸に打ち込まないと。アレぐらいじゃ大きな敵は倒せんぞ、軽いんだから。加速度だよ重力加速度。f=ma。石川にもそんなに簡単に倒れてほしくない。

高梨の相手を座らせてのレッグラリアットはいい技だ。出すタイミングによってはフィニッシュになるから大事に使っていってほしい。俺のミッキーブーメランは相手がニアロープだからなかなかフィニッシュにならないが、リング中央にセットする技ならフィニッシュになる。その意味でもコレはもってこいだ。ロープに走る前に一本指立ててイナヅマ!とかタカナシ!とか何か叫んだほうがいいんじゃないか?

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タカタニックは勝負を急ぎすぎた。キレイに決まったけどまだ石川には余力があったな。やっぱりアレは相手がフラフラになった時にズバッと決めたい技。その勝負所の見極めが大事。ただお互い大きめの技を早い段階で出していったのを見ると、二人とも短期勝負でダラダラやる気はなかったみたいだな。

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ネックハンギングボムってヤツは石川の技の中では珍しく石川らしい技だね。ネックハンギングで宙吊りにされて、苦しい息ができないもうダメだ、と思った次の瞬間にボムで後頭部痛打か。気絶するぜこんなの食らったら。コレもその場でジャンプしてみ、とアドバイスしたら前より大きな技になったみたいでますます恐い。俺にはやらないでくれよ。

最後は15文キックで石川勝利。でも技をアレやコレや出し過ぎたか。だってオマエ石川なんだぜ?そんなにデカいんだぜ?デーンと構えてノッシノッシ動いていればいいんだよ。石川はまだアクが弱い。大事なのは自分を知る事。俺が新人の頃は毎日のように自分の試合のビデオを観てたよ。だって周りからよく見られるようになりたかったし、どんクサいよりカッコイイほうがいいじゃん。だから自分のビデオをどんどん観て「どうやったらもっと自分を生かせるか」「俺だから出来る、俺がやるからこそ」という技や動きを自分で考えないといつまでたっても今のままだよ。今年30?31?若いのに混じってチンタラやってる場合じゃないぞ。周りのペースに合わせたらダメ。周りより勉強しないと。そしてどうせやるなら一番上を目指せ。高梨は小ささと身軽さを生かした動きを大分わかってきてると思う。あとはダイナミックさと思い切りのよさ。コレをファンは望んでるんじゃないかな。若いんだからこれからいろんなモノを身に付けてもらいたい。

…今後のこの二人、特に石川の変化には注目しておいてもらいたい。といっても自分自身の気持ち次第だけど。ただコレだけは言える。俺が石川だったらとっととKO-Dのタイトル取ってるよ。


観戦レポート:前KO-D王者MIKAMI(DDT)





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記事編集:荒井禎雄(おはら汁



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