ルミちゃん事件　〜発端〜

ことの発端は１通の相談メールだった。

『ＢＯＳＳへ。
私は小学生の女の子です。先日、私のＰＣにこんなメールが送られてきました。

（ルミちゃんにプレゼント！）
お母さんの浮気相手（援助相手）から、入手したシャシンだよ。
今日は、お母さん大阪に帰ってるのかな？
このメールが来たことは、だれにも、話さない事！
話した場合、シャシンは、お父さんの手元に届くし、場合によってはお母さんは売春行為で警察に逮捕される可能性が有ります。
ルミちゃんが、このメールに返事を返さなかった時には、お父さんに浮気の事実を報告します。
お父さんから依頼を受けた探偵より。


女性器と結合写真の２枚（イメージ画像に差し替え）



「ルミちゃん」という私の本名は、ネット上では公開していません。
しかもお母さんが、大阪に帰ってるというのは本当の事です。でも、誰にも話していません。
知っている人がいるわけがないのに、凄く怖くなりました。
今でも、頭の中がパニック状態です。
メールについていた写真は、気持ち悪くて、グロくて、見た瞬間吐き気がしました。夢にも出てきて怖いです。
これは、本当の事なんでしょうか？　とても怖いです。』

上の映像は、かなり大人しいものに差し替え、しかも「ぼかし」を加えている。
当然、実物には「ぼかし」など入っていない。体毛が黒々と絡みついた性器の結合部分と、体液にまみれた女性器のアップ。
ルミちゃんが「吐きそう」と言ったのもよく分かる。

指令：	ルミちゃんへ迷惑メールを送った人物を特定。 同人物による加害を阻止し、身体的・精神的な危害からルミちゃんを保護。

まだ小学生の女の子の前へ「両親の浮気」だの「援助交際」だの「売春」だの、陰鬱な単語を並べたて、その上この「グロ画像」。
まともな神経の持ち主とは思えない。
大体、こんな野郎が「探偵」を名乗っているのが何より気に入らない。

指令を受けた調査員は、大いにやる気で調査に取り掛かった。


→続く



探偵ファイル・九坪