●更新日 03/12●

宗教ほっておきます?


約2年前の平成14年12月9日、鹿児島県川内市内の神主が、強制わいせつ容疑で逮捕されるという事件がありました。
この神主さん、神社の一室で当時中学生の女子に勉強を教えていた際、突然「集中力が欠如している。気が足りん。気を入れてやる」と叫びながら、無理矢理服の上から胸や太ももなどをしつこくなで回したとのこと。

これに対して神主は「宗教上の儀式だ。法律上の強制わいせつにはあたらない」と主張。容疑を否認していましたが、今年2月16日。

判  決:無  罪
判決理由:被告が行った「お済度」は東洋医学の技法を加味したもの。性的意図は認められない。


との判決が下され、3月3日、神主の無罪が確定しました。

判決を下したのは冨田敦史裁判官。この事件の裁判を担当した方で「探偵ファイル」との因縁もあります。
だからというわけじゃないですが、この事件について少々取材してみました。

問題の神社は「御嶽教」の教会「御嶽教川内神寶教会」。

写真
     ▲御嶽教川内神寶教会

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       ▲同教会の看板

近所では「個人的な相談をするのにいい教会」と言われており、神主自身の評判としても「面倒見のいい熱血漢」と信頼されていたそうで概ね良好と言えました。
とは言うものの、
「『熱血漢』というのは“ものの言いよう”だね。『短気で感情的』ってことでもある。キレると何をするかわからないタイプだと思うよ」
と言う人もおり、
「あの宗教(御嶽教)では、お済度は竹に白い四角い紙を束ねた道具を使って儀式をする。体に直接触れたりするものじゃない」
との話も聞かれました。

裁判官は判決の理由をこう説明しています。

「(宗教行為として)女性の肌に直接触れる形態は一般的に行われていないが、直接肌に手を触れる形態がないとは言えず、宗教行為に当たらないことにはならない

なんだか、歯切れの悪い説明です。
『疑わしきは罰せず』と断言しつつ、苦い顔をしている冨田裁判官が目に浮かぶのは私だけでしょうか。



取材:特捜班 文:九坪


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