●更新日 02/20●

強制送還 〜友の為に立ち上がると言う事〜


大阪のとある小学校にいる一人の女の子。
彼女の名は李さん(12)、在日韓国人である。
小学校6年生の彼女は、短期滞在ビザで入国した母親と、日本に永住権を持つ在日韓国人の間に生まれた子供。
複雑な事情を持つ彼女は、日本で生まれ育ちながらも日本滞在の資格を持っていないため、現在本国である韓国への強制送還を迫られている。

小学校でこの問題の対応にあたる先生に詳しい話を聞いた。

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この話を耳にしたのはいつですか? 話を聞いた後の対応は?
彼女の母親が4年前に学校に相談しに来たのが始まりで、先ずPTAや先生達の間で話を進めていたんです。それから私の知り合いの弁護士に相談したら『裁判中は強制送還されないから』と言われたので裁判を起こしました、そして今に至ります。

生徒達にはすぐに教えましたか?
話はしました。しかし当時はみんなまだ2年生だったので内容を十分に理解できていない子達が殆どでした。ですが今はみんな話の内容を理解し協力してくれています。

今回のような強制送還についてどうお考えですか?
ケースバイケースなんでしょうけど、本当に殺生な話だと思います……。何も知らない土地にいきなり送られる子供はどうなるんだ?と思います。

生徒達は
『李さんは何も悪くない』
『いきなり連れて行かないで』

と懇願したという。

実際何かできることはないかと、李さんの同級生(34人)や先生は、李さんへの思いや友情等を書き綴った作文を作り、先生達は120万を超える団体署名を集めた。
それらは既に、弁護士を通じて入管に提出されている。

このような事例について入管職員に話を聞いてみたところ、
確かにこう言うケースは私達も同情を余儀なくされます。ですがこれが仕事なので、恨まれても仕方がないと思いながら仕事をしています。私の一存でこの子だけを日本に残すことは出来ませんしね……。
とコメント。
入管職員も一人の人間、同情の念は隠せない。

入管に提出された作文や署名が審査された結果、2月18日までだった帰国の期限はいったん延長された。
再び一ヶ月後、李さんは韓国への帰国を迫られることになる。
国のルールに従った上でのこととは言え、幼い友情にとってはあまりに理不尽な運命が待っている。



huze


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