●更新日 11/22●

少女が金を稼ぐ理由


少女は東京都内に住む15歳・中学3年生。
出会い系サイトに、こんなメールを出した。


「入れたりくわえたりは出来ません。下着上下15000円で買ってください」


待ち合わせ場所にいた少女は、これから見知らぬ男と会う緊張感など微塵も持ち合わせていなかった。



下着を買いにきたのではないことを伝え、取材を申し込んだ。

記者:今まで何回くらいやってるの?
少女:はじめて。あんたみたいのが最初だなんて最低だよ。
どうして下着を売ろうなんて思ったの?
関係なくない? 超面倒くさい。
きっかけ、教えてくれない?
取材終わったらお金くれるんでしょ? 早く終わらせてよね。

会話中は一度も記者の顔を見ようとせず、その目は遠くを見つめていた。
お金はくれるのか、いくらくれるのか……しばらくはそんな会話にならない会話が続く。



そんなにお金が欲しい?
欲しい。
なんで?
(しばし考える)……洋服とか欲しいから。
他には? お金を貯めてる目標とか。
あんまり、欲しい物はない。
じゃぁどうして下着売ったりするの? 気持ち悪いと思わない?
別に? なんとも思わない。


彼女が自らを切り売りする理由は、

「洋服が欲しい」

ただそれだけだった。

たったそれだけの欲望を叶えるためにどれだけのリスクを背負うのか、彼女はまるで考えていない。
あまりに安直すぎる。


帰り際、彼女の母親が迎えにやってきた。
母の車に乗り込む少女。
取材途中に
「お父さんは嫌いだけど、お母さんとは友達みたいに仲良し」
と言っていた通り、助手席に乗った彼女は屈託の無い笑顔で母と向き合った。

まだまだ彼女は自立できていない。親を頼る、幼い少女だ。


まだ間に合う。
彼女は大人を必要としているし、大人は彼女を導ける。



吉福 & もみ 


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