●更新日 11/11●

早く喰わせて殺されて


11月6日・7日、兵庫県福崎町にて「福崎秋まつり」が開催された。
この初日に行われた特産品の早食い競争で、参加した女性、金相順さん(38歳)が喉を詰まらせて死亡した。

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      ▲当日の大会の模様

この祭りは今年で31回目を迎える伝統行事だが、早食い競争が企画されたのは初めてだった。
祭りを主催する商工会の職員の男女5人によりリハーサルが行われ、競争に問題はないと判断。開催が決定されたそうだ。

2002年に、TV番組を真似て早食いをした中学生が死亡するという事故があった。
早食い競争が非常に危険性の高いものだということを、認識することはできたはずだった。

しかし、

「その事故を知っている人は誰もいなかった 。まさか死人が出てしまうだなんて、想像もつかなかった」

と、職員は説明する。

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▲競争に使われた、もちむぎ麺。95年頃から特産化に力を入れていた

同町は、秋祭りにて悲惨な事故が起きたにも関わらず、
「以前からこの祭りに向けて皆で準備してきたので、中止にする訳にはいかない」
と、翌日の祭りを決行した。

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町長の嶋田正義氏は
「祭りで早食い競争が行われることは知らなかった。(遺族らに対しては)誠心誠意対応します」
とだけ述べた。

しかしこの町長は事故翌日、祭りに出席していた。
その日は、金さんの告別式の日である。
そんな日に祭りに参加することが果たして、誠心誠意と言えるのだろうか?

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過去の事故、祭りの内容、早食いの危険性……
あまりに無知だった職員たちの責任は重い。

職員は皆、「早食い競争なんてやらなきゃ良かった」と口をそろえる。
が、それはもはや文字通り「後の祭り」である。



huze(ヒューズ)&凛&もみ 


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