●更新日 11/05●

モ〜地震は勘弁!


だるいです。

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震災で陸の孤島となった山古志村から、

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空を飛んで隣の長岡市までやってきました。

だるいのは旅の疲れのせいだけではありません。
震災後は餌も水ももらえず、牧場にいた1,000頭のうち、500頭近くの仲間が死んでしまいました。
私たちには1日10キロの食事が必要なのです。
おなかペコペコのうえ、悲しみに暮れる暇もなく今回の空輸。
暴れないようにと15キロもの麻酔を打たれた私は、モ〜ダルイです。


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▲牧場職員さんに「ほれ立でっ!」と気合を入れられますが、ぐったり起き上がる気力もモ〜ありません。

私たちは臆病なため、突然暴れ出してしまうこともあります。
ちょっとした道の線にも、えらくビビッてしまったり。

そう、この日小さなアクシデントがありました。
私の仲間が人間の雄を振り回したのです。

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       ▲その時の傷跡

この人間、肘を擦りむきズボンを破られていましたが、転ぶ向きを考えて「携帯だげは守った! 買ったばっかりだがらな」と誇らしげでした。
「(暴れた牛が去勢前の)子牛だったら、もっとやばがったな〜」とも。
時には指を折ったり肋骨を折ったり、下手をすると内臓破裂なんて人間もいますから、私たちを管理するのも結構大変のようです。

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この茶色い彼は孫兵衛(まごべえ)さんと言い、“日本短角牛(にほんたんかくぎゅう)”と呼ばれる闘牛でこの地区の頂点に君臨している横綱です。
今年は震災で闘牛大会の開催も危ぶまれていますが、私たちのヒーロー・孫兵衛には頑張って頂きたいものです。

テレビもたくさん来ました。

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私たちは人気者なんでしょうか。
あんまりこういうの好きじゃないんですが……。

牧場は現在、決壊しそうなダムの上にあります。
私たちはこれから2週間かけて運ばれます。
長岡の市営牧場や酪農家に引き取られ、みんなもバラバラに。
世話してくれた農家のおじさんおばさんともお別れです。

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駄々こねてる場合じゃないのは解っていますが、モ〜地震は勘弁です。



猪狩&カグウェル


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