●更新日 10/21●

思惑が裏目に


コピーコントロールCD(CCCD)というものをご存知だろうか?
著作権の重要性を啓発し、カジュアルコピーを防ぐために導入されたものである。
最近は簡単に違法コピーが出来るようにったことが新品CDの売上低下につながり、レコード会社やCDレンタル店等に大きな打撃を与えていた。
その打開策として国内ではまずエイベックスがCCCDを導入しそれに各レコード会社も続いたのだが、ここにきてこのCDの販売を (弾力的に)終了するという動きが出てきた。日本で初めてのCCCDが発売されてから、たった1年半でである。



もともと、このCCCDに関してはユーザーから、
「自分のオーディオじゃ再生できない」
「音質が悪い」
など悪評が飛び交っていた。 特に音質に関しては、音楽を発信する側のアーティストからもちらほらと聞かれた意見である。

レコード会社は売上至上主義であり、例えば本来12曲発表するアルバムの予定をコスト削減との名目で10曲に変更したりすることも起きる。
こうなるとアーティストが納得できるような作品はつくれず、結果ユーザーの音楽離れに拍車をかける形になった。

各社ともCCCDの終了について一様に
「著作権の重要性が認知され、その取り組みが一定の成果をあげた」
と発表しているが、大きな売上の落ち込みもひとつの理由であるだろう。
2002年に(社)日本レコード協会が個人録音の実態調査を行った結果、新品CD購入者はユーザーの約5割、個人録音経験者は約7割と録音経験者が上回った。
もともと新品CDを購入する人はそれほど多くなく、レンタルショップを使って個人的に録音を楽しんでいたユーザー も多かったこともわかる。

レコード会社が言うように、音楽著作権法に対する関心が高まってきたのも事実であろう。
しかし結局今回のCCCDの終了劇、レコード会社がユーザーの欲しているものを見極められなかったために起きたドタバタ騒ぎに見えなくもない。



探偵ファイル



前の記事
今月のインデックス
次の記事