●更新日 10/11●

不妊治療に伴うリスク


「子供がほしい」
不妊に悩む女性、もしくはシングルマザーとしての人生を望む女性。彼女たちが強く抱く夢である。
不妊治療方法のひとつに、自分の夫(配偶者)以外の精子で人口受精する「AID」という方法があるが、これにはいくつかの問題点がある。
精子を提供してくれるドナーを選べないということや、未婚女性は治療を受けることができないということなどである。

東京都に「E」という精子バンクがある。
このEはドナーをカタログから選ぶことが出来て、未婚の女性も治療を受けられるという。
ちなみにこのカタログにはドナーの学歴や収入、顔写真までが掲載されていて、更にドナーと実際に会ってその人柄を知ることもできる。
しかしこれには、プライバシーの問題が大きくのしかかるのは明白だろう。

当編集部の男性記者が、ドナー登録希望者を装い電話をしてみた。

写真 写真はイメージです

記者:僕でも精子売れますか?
担当者:大丈夫ですよ
記者:写真載せたり、相手と実際に会ったりするんですよね? 個人情報とかちゃんと守ってもらえるんですか?
担当者:大丈夫ですよ
(質問に対して回答するだけで、具体的な会話をしようとしない)

その他いくつか質問をしたが、「他にあったらメールでまとめて送ってください」と一方的に電話を切られた。
数々の不安や問題点をやわらげてくれる言葉はひとつもないままだった。

女性がドナー斡旋料としてEに払うのは150万円で、その他にドナーの健康診断費などがかかる。
Eのサイトを見てみると、「Eを本気で利用したい方のみ、来社を受け付けます」(=様子を見るためなどの来社は認められない)「社会情勢の変動により利用費用を変更することも有り得ます」など、不審な言葉も多い。
それでも、このEを訪れる女性は多いという。

実の子供を殺す親がいれば、リスクを背負ってでも子供を欲する親もいる。
そんな健気な人々を、騙すような企業が存在しないことを願うばかりだ。



一二三  &もみ 



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