●更新日 09/14●

上智大生放火殺人事件、その後


東京都は葛飾区で平成8年9月、上智大4年の小林順子さん(当時21歳)が自宅で刺殺された後、火を放たれた殺人放火事件は、未解決のまま9日で8年を迎えた。
それに合わせて亀有署捜査本部は、犯行時間帯に玄関前で目撃された30代後半とみられる男性の似顔絵を付けた人形を事件現場にて公開した。

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▲事件現場。この場所は普段から人通りも少なく、道路も一方通行のため、日中でもひっそりとしている。

しかし現場にいってみると人形の姿は無い。近所の方々にこの事について尋ねてみた。

「記者用に人形を置いて、写真を一通り撮らせたら、とっとと片付けていったみたいだよ。だから殆どの人は特徴すらわからない。
でもこの地域の人は皆そうだけど、この事件にはあまり関わりたくないのか、何があってももう動じない。私もそう。看板が立とうが、人形が置かれようが、ね。」

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▲事件現場には目撃情報を求める看板が設置されている。

「あの看板だって、私も含めた近所の人がもう色あせて字が見えないよ、っておまわりさんに言ってもなかなか取り替えないんだから・・。あれもやっとキレイになったの」

「事件の後、近所の人は皆協力しましたよ。あの家の隣に住んでる○○さんだって、『ブロック一枚の隣同士で本当に何も知らないのか』って警察に問い詰められて・・何回も話ししてましたよ。本当に何も知らないのにあそこまでやられるとねぇ・・」
「あの事件だけでなく、近所では色々な事件今も起こってる。オレオレ詐欺やひったくり、空き巣の事件も起きているのに、誰か来たかと思えばこの事件のことばかりでさぁ・・もう話すことはないわよ。むしろ警察に対して不信感を抱いている人の方が多いんじゃない」

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「あの事件以来本当に色々な事を聴きに来られて・・。だから皆知っていることはもう話尽くしたわよ。それ以上聴かれてももう答えようがない。ヘタなことも言えないしね。」

現場周辺ではむしろ最近発生した事件の方が気になる様子で、同時にこの事件も含めて警察に対する不満を持っているように感じた。


この事件が発生した翌々日、プロ野球のオリックス・ブルーウェーブがマジックを点灯させ、この年は優勝をした。そのオリックスが今は合併問題で揺れている。時間がだいぶ経過してしまった。
その上、警察と地元の摩擦。このまま迷宮入りしてしまうのか・・・。



ガル・伊藤



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