●更新日 09/02●

浅間山噴火!仕事してる人、頑張れ!


群馬県と長野県の境にある浅間山が、1日20時2分ごろ噴火した。
現在浅間山周辺の道路は警察により通行止め。

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▲現場では「しばらく変動ないけど何かあってからじゃ遅いからねー」と車を追い返す警察官が待機。浅間山付近の山も道路封鎖。(9/2 AM4時頃)

浅間山から8キロほど離れた軽井沢測候所では、大きな爆発音と空気の振動を記録。
山の中腹以上には噴石が落下し山火事が起きた。
降灰は周辺町村や宇都宮市、福島県郡山市でも観測されている。
長野地方気象台によると、2日の軽井沢付近の天候は気圧の谷が通過するため断続的に雨が降り、その後夕方からは曇りになる見込み、浅間山の様子を再び見ることができるのは明日以降となりそうだ。

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     ▲昨日の浅間山の様子

幸い今現在人的被害は出ていないようだが、こうした自然災害では、付近住民の安全のために汗を流している人たちが現地にいることも忘れてはならない。
雲仙普賢岳の大火砕流(91年長崎)後、無人ロボで立ち入り禁止区域内の土砂を掘り出すシステムを開発していたSE(システムエンジニア)のT氏に話を聞いた。

システムの不具合で現地に調整に行ったのですが、私の場合は作業上、立ち入り禁止区域内に入らなければなりませんでした。その際一筆書かされた文面を今でも忘れることはできません。

T氏が目にしたのは小学生にでもわかる簡単な日本語、



「私は死んでも文句を言いません」


さらにT氏は語る。

私はほったて小屋のようなところで作業をしていましたが、その前には火砕流用のシェルターがありました。係員から『もしもの場合はそこに逃げ込んで下さい』と言われましたが、彼は何食わぬ顔で付け加えるのです。

係員はT氏にこう言ったそうだ。
「もし危ない時にはサイレンを鳴らします。でも、1回目では逃げないで下さい。30秒後にもう一回鳴らしますので、2回目のサイレンで逃げてください」

当時は経験も浅かったので、「俺の命ってこんなものなのか」というショックで混乱していたのでしょう。。。
どうして1回目で逃げてはいけないのかは聞けませんでした。
さらに、係員が去った後、私はクリティカルなことに気が付いてしまいました。
実はその時、シェルターの鍵を渡されてなかったんですね(笑)。



T氏の場合、会社から通常の出張手当以外に特別手当てを支給されたわけでもなく、ハイリスクローリターン(※ただし、酒の席でネタに困らなくなったらしい)でこの職務を全うした。
こうした災害では、高給取りの大臣クラスの政治家が安全確認済みの現地をきれいな作業着で視察しているその裏で、死んでも小さなニュースにしかならない名もなき薄給のサラリーマンや公務員が自分の命を危険に晒して地域住民の安全を守っているのである。

現在の浅間山付近でも、様々な仕事の人たちが安全のために働いている。
ニュースで山の様子が見えたとき、ふと思いだしてみてはいかがだろう、名もなき功労者達たちがいることを。



探偵ファイル



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