●更新日 08/24●

中古携帯電話から流出する情報


電気街・秋葉原。その片隅で中古の携帯電話を販売している露店があるという情報を入手しました。中古の携帯などというものを一体誰が購入するのでしょうか?何の目的に使用されるのでしょうか?早速取材に向かいました。


最初、平日の午後3時頃に情報の場所に行ってみたのですが、姿が見えません。聞き込みの結果、どうやら露店は週末の昼間、店が無く人通りも少ない路地に現れる事が分かりました。

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日を改めて土曜日の午後1時頃再びその場所を訪れた所、その露店はありました。露店と言っても、携帯電話が詰め込まれた箱の前に、アジア系外国人の女性店員が二人立っているだけという簡素なものです。箱の中を物色している客もアジア系外国人と思われる人がばかりです。

箱の中にある携帯電話は1〜4年前の古めの物が多く、1個500円だそうです。店員に「もっと新しい物はないか?」と尋ねると、「カメラ付は4000円」と言って、持っていた鞄の中から比較的新しい機種を取り出して見せてくれました。 さらにこの携帯は何に使うのか、どこから仕入れてるのか、などと質問してみたのですが、「知らない」「日本語わからない」といった答えしか返ってきません。仕方が無いので、3台購入してその場を後にしました。

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  ▲今回購入した3台の中古携帯。


購入した携帯電話を検証してみた所、3台のうち1台は白ロム(電話番号が登録されていない未使用の携帯)でしたが、残りの2台は番号が登録されていて、実際に使用した形跡のある物でした。 とりあえずその2台に登録されていた番号に電話してみたのですが、既に解約済みの為繋がらず。しかしデータを漁ってみると、驚くべき事に電話帳やメールのやり取りなどの個人情報がしっかりと残っていました。

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▲データは入ったまま。右側のメールの日付は04/06/14。つい先日まで使われていたようです。


業界団体の調査で、不要になった携帯電話を6〜7割の人が携帯ショップで処分してもらっているというデータがありますが、今回紹介したような中古携帯は、そのショップに処分を依頼したはずの物が横流しされているのではないか、という話も聞かれます。
現在、中古の携帯電話を販売・購入する事に関して、何ら制限がありません。しかし情報漏洩について騒がれている今の世の中、将来的にこのような中古携帯からの情報の流出が問題になる可能性は大いにあります。そうなる前に、メーカーによる回収の徹底や処分方法についての確固としたルール作り等の対策が必要ではないでしょうか。



探偵ファイル・千明



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