●更新日 08/20●

バリアフリー検証


バリアフリー。
当サイトの記事でも何回か触れた事のある言葉です。
註:『バリアフリー』……「Barrier free」。障害者が建築物を使おうとした時に邪魔になる様々なバリア(障害)を取り除こうと言う考え方。

しかし、実際の所はどうなのでしょうか? 昔に比べ、バリアフリーは進んでいるのでしょうか?
そう疑問に感じた今回は、車椅子の方の視点で検証してみました。
内容は、川崎市内から出発して、渋谷に出るまで。電車での移動が主となります。
それでは検証です。

写真
いきなりですが、この交差点が注意。
川崎駅に向かう途中の交差点なのですが、信号が変わるのが早い。歩いている人にはなんとかなる早さですが、これが車椅子等だと、赤に変わる前に渡るのは困難となります。
交通量の関係でしょうが、渡っている途中で、信号が切り替わったらどうするつもりなのでしょうか?

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川崎駅近くのアーケード街。歩道は平らなので通行は良いのですが、問題はその広さ。
駐輪場(左側)と店の看板(右側)が続いている為、極端に狭くなります。
ここも改善の余地有り。

写真
川崎駅近くの地下街入り口。
初っ端から、車椅子用のエスカレーターがありました。これを見た時は、「おお!? 川崎ってやるじゃないか!」と思いました。
しかし……、

地下街に下りて、今度は川崎駅側へ上がろうとしましたが、

写真
無い! 無い! 無い!
何処にも上に上がるエスカレーターが無い。
「川崎駅真正面にある1番大きな中央広場に行けばあるかな?」と思いましたが、此処にも無い!(画像右)

暫くして、漸く発見しました。

写真 写真
車椅子の方は、外れた所にこっそりとおかれたエレベーターで地上へ出るように案内されるようです。
真正面に駅があるのに、回り込まなければならないとは不便です。

写真
地上に出て、今度は駅に上がる階段です。こちらにはエスカレーターがついていました。一安心。

写真
駅の改札です。
普通の自動改札では、間隔に難がある為、駅員側の改札を通るようになります。
これで駅の構内へ入れました。

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川崎→品川に行くのに、東海道本線に乗ろうとしましたが……無い! 車椅子用のエスカレーターもエレベーターも無い!
どうすればいいのか困惑して駅員さんに確認した所、
「通常の上がりエスカレーターを逆運行させて、それで下に下るようにします」
との事。
東海道本線に乗りたい場合は、まずは駅員さんを見付ける事から始めなければならないようです。

写真
品川駅に到着。
このホームから、上まではエレベーターで移動です。

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品川→渋谷へ行く為に、山手線に乗ろうと思いましたが、品川駅も車椅子用のエスカレーターはありません。

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その代わり、エレベーターがしっかりとありました。

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渋谷駅に到着し、エレベーターで地上へ。
そこから車椅子用の改札を出て、渋谷の街へ。

漸く到着致しました。
普段、何気なく通勤していた距離が倍に感じられました。

結論:川崎市内〜渋谷間、バリアフリー有り。
   ただし、手間と時間が掛かる事は否めない。


以前、ノーマライゼーションを日本でも行う条例が出来るかもしれないという記事をお送りしました。
参考:『初の障害者差別禁止条例制定か?

”あらゆる所でのバリアを無くす”
素晴らしい事ですが、これを実現させる為には今まで以上の努力と理解と協力が必要になりそうです。
願わくば、皆様のご理解を……。



探偵ファイル・キム



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