●更新日 07/25●

大事なパートナー 盲導犬


皆さんは盲導犬と聞いて何を思い浮かべますか?
ゴールデンレトリバーや、ラブラドールレトリバーが代表的なアイメイト(盲導犬)ですね。
先日話題になった映画『クイール』や、テレビドラマ『ハッピー』などは記憶に新しいと思います。

盲導犬とは?
視覚障害者を安全に誘導する為に訓練された犬の事です。
人間と犬の歴史において、犬が視覚障害者の歩行を援助し、誘導していたのだそうです。ポンペイの壁画にもその様子が描かれていたりします。
福祉事業として取り組まれるようになったのは第一次世界大戦後のドイツで、戦争で急増した失明軍人の救済でした。今では20を超える国々で盲導犬育成事業が行われています。
日本では1938年に盲導犬を連れて旅行中のアメリカの青年が日本に立ち寄ったのがきっかけで、1957年には国産第1号の盲導犬が誕生しました。



盲導犬の生い立ち
盲導犬には3人の親がいます。
まず、「生みの親」
生まれた子犬たちは親の元で兄弟たちと45日間を過ごします。

次に、「育ての親(ハピーウォーカー)」
45日を経過した子犬たちはハピーウォーカーの元で家族の一員として生活します。
この最大の目的は人間が信用するに足る相手であると子犬に認識させる為に、家族の愛情に触れさせる事にあります。
ここでは、満一歳になるまで過ごします。

最後に、「しつけの親(訓練士)」
1歳になると犬は訓練センターに戻り、本格的な訓練に入ります。服従訓練や誘導訓練(飼い主の命令に従う訓練)が約1年間かけて行われます。
基礎訓練が終わると指導員がアイマスクを着用し、実際に犬と歩いて最終的な評価を行います。これを「アイマスク・テスト」といい、これによって適性であると認められた犬が視覚障害者との共同訓練に入ります。共同訓練とは実際に視覚障害者と盲導犬が一緒に生活し、お互いに理解し合う期間です。

このように、さまざまな人々の愛情に触れ、犬は盲導犬へと成長します。
しかし、盲導犬の数は少なく、平成15年に日本盲人社会福祉施設協議会が行った調査では日本の視覚障害者の数は35万3千人。うち、盲導犬を必要としている人は7800名です。それに対して盲導犬の数が927頭と、8人に1匹の割合です。
盲導犬の普及があまり進まない理由の一つに、社会の理解がなかなか得られないという事があります。



そこで、飲食店街やファッション店舗の立ち並ぶ駅ビルの方に盲導犬への取り組みについて聞いてみました。


どのくらい前から取り組まれているのですか?
2001年4月にイベントの収益金を日本盲導犬協会の方へ寄付させて頂いたのがきっかけで始めました。

今現在取り組まれている事は何ですか?
現在、各店舗に盲導犬育成の募金箱を設置させて頂いております。
大型のラブラドールを模った募金箱を2箇所に設置しておりますが、その片方に50円おじさんが出没し、それの前を通る度に50円を募金し、頭をなでて行かれます。その光景が微笑ましいです。

これからの取り組み方は?
テレビドラマや映画の影響で盲導犬への理解が深まりつつあり、補助犬に対する苦情等は一切ありません。入り口の自動ドア等に補助犬のシールを張らせて頂き、視覚障害者の方にも安心してお買い物やお食事が快適に出来るような環境を作って行きたいと考えております。



盲導犬はペットではありません。可愛いから、おとなしいからといってハーネスを着用している時にむやみに触れたり、声を掛けたり、口笛を吹いたりしないで下さい。

私達、1人1人が補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)に対する正しい知識を持ち、障害者の方々と接して行く事でもっと多くの介助犬が誕生します。
常識と節度をもち、もっと障害者の方々や盲導犬達と接して行きたいものですね。

参考URL:財団法人日本盲導犬協会



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