●更新日 07/24●

声優になりたい


盛りを過ぎた感は否めないものの、未だに「なりたい職業ランキング」で根強い人気を持つ声優という職業。
今まで探偵ファイルでも何度か記事を書いて参りましたが、具体的にどうすればより確実に声優になれるのか?
今回は、某プロダクションの元声優の方に業界の裏話を聞いて参りました。



まず、声優になる為にはどうすればいいのですか?
中堅〜大手の声優養成所に入りましょう。大抵は入所オーディションがありますが、有料機関ですのでよほど酷いレベルの人でなければ入れます。普通のタレント養成所の声優科では指導技術やコネの面で難があるので、出来れば声優専門の養成所が望ましいです。

声優の専門学校ではいけないのですか?
止めておいた方が良いですね。専門学校はプロダクションとの直接的な繋がりが無いので、お金をドブに捨てるようなものです。
「顔出ししないから私でも出来そう」といった理由で声優を志望される方がいらっしゃいますが、今この業界では容姿はかなり重要な要素ですから。とあるプロダクションなど、「ウチは外見で採ります」と言い切っているくらいです。


▲声優個人のファンも多い。アイドルの扱いとなんら変わらない

養成所の内情を教えてください
大体、生徒は『演劇出身者系』と『アニメオタク系』の二手に分かれますが、殆どの講師陣は後者をあまりよく思っていません。
ですからあからさまなアニメ声で喋ったり、宣材写真の撮影にコスプレしたりするのは止めておいた方が良いです。
それ以外の強烈な個性を持っていると、講師陣に深く印象付けられて逆にかなり有利に働きます。声優といえども、所詮は芸人稼業ですから。

事務所所属のオーディションについて教えてください
プロダクションの人間との面接式オーディションか、卒業公演査定オーディションがメインですね。そのどちらにしても、プロフィール記載事項は超重要です。
まず、趣味・特技は“スキル自慢の場”だと思いましょう。読書なんて無難な答えを書いていてはいけません。外国語や音楽に関しての技術なら、さぞ有利に働く事でしょう。意外なところでは、伝統芸能が人数も少なく狙い目です。これは私の知人の話ですが、「落語家に5年師事した経験あり」と書いたところ、1発で合格しました。
また経歴に関してですが、どんな端役でも良いのでガンガン書いていきましょう。場数を踏んでいれば踏んでいるだけ、信頼度が上がります。ですので、養成所生活では自分で仕事を探してどんどんオーディションを受けておいた方が良いですね。そうすれば、いざ所属オーディションを受けるという時にもあまり緊張せずにすみます。
最近はネット上で同人ゲームなどの声優募集などもしていますが、そんな仕事でも結構です。どうせ、仕事内容まで調べてきませんから。……とはいっても、嘘は駄目ですよ!


▲声優専門の雑誌やサイトも数多い。

無事、プロダクションに仮所属したら?
この段階ではまだマネージャーがつきませんので、自分で仕事を取ってこなければなりません。オーディションを繰り返す日々が、続く事でしょう。
……と、言っても新人でいきなりアニメ等のレギュラーを任される事など稀ですので、大抵の人はラジオCMのナレーションかアニメ・洋画の端役で食い繋ぐことになります。宣材をアニメ風味にしてしまった人は、ここで躓きますね。
邪道ですが、アニメ監督に気に入られるとめちゃくちゃ有利です。監督とて人間、「監督の作品の大ファンなんです〜!」と言われて、悪い気がするはずもありません。私の知っている人に、それでアニメの主役をゲットした人がいます。
いずれにしても、正所属をするまで相当苦労をする事になりますので、処世術と根性は必須要素だと言えますね。

プロダクションの正所属について教えてください
プロダクションは、所属する役者に投資(マネージメント費等)して利益を生む企業です。ですから、その役者の仕事力に対してかなりの信頼度が無ければ正所属は出来ません。ですから、研修生時代にいかに実績とコネを積み上げるかにかかっていますね。正所属に失敗した場合は別のプロダクションの仮所属からやり直しですが、私のように歌の仕事ばかりしていたりすると、歌手と見なされてしまう場合もあったりします(笑)。
正所属が出来て、初めて「職業:声優」と言えるのではないでしょうか。



いかがでしたか?今回取材して解った事は、

演技の勉強は無論のこと、社会勉強もしないと声優になるのは難しい

という事です。
「私は中学を卒業したら声優になるんだ!」と言う若年の志望者もいるようですが、それほど甘い世界ではないようです。
いずれにしても、役者の修行は一生と言われています。当然ですが、役者には安定した収入など望むべくもありません。

声優を望む方はそれなりの覚悟が必要のようです。



探偵ファイル



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