●更新日 07/12●

三菱の真相 4


関係者や、購入された方からの声が続々と届くこのシリーズ。
今回も皆様の疑問に答えるべく、取材して参りました。



(1)GDIエンジン搭載車で、数千キロ走行すると、オイルがレベルゲージにつかなくなるくらい減っています

これは、車種にもよりますが、「オイル上がり、もしくはオイル下がり」という現象で、エンジンオイルがエンジン内で燃焼し、オイルが減っていきます。
勿論、放っておけば「エンジンが焼きついて全く動かない」という状況に陥ります。
この症状が出ている車は結構多いのですが、普段エンジンルームを見ないユーザの方は、気づいてない方も多いです。
エンジンが温まっているのに、マフラーから白煙が出ているなんて場合はこれが怪しいです。
メーカーの回答は、「シリンダーヘッド、もしくはエンジン載せ換え」との事ばかり。実際に何台も載せ換え作業をしていました。
ただ、新しく載せたエンジンも精度が悪いので、いつまでもつかは解りません。

(2)シャ○オグラ○ディスで、雨の日にハンドルが急に重くなったんですが……

この現象は、幾つもの原因が重なっておきています。
ハンドルが重くなったのは、パワーステアリング(パワステ)のアシストが効かなくなった為です。
原因として、パワステはパワステベルトでパワステポンプを駆動して、ハンドル操作をアシストするようになっているんですが、この車種、ベルト廻りで何度も「不具合発生→メーカー対策品に交換」を繰り返しています。
ちょっと専門的な話になってしまうので詳細は書きませんが、結果として、雨がエンジンルーム内に浸入すると、ベルトが滑ってパワステが効かなくなる事があります。
その他にも、プーリー(ベルトによって回される部品)の強度不足で、いきなりプーリーが砕けて、走行不能に近い状態になったりもします。
ベルト廻りを全て対策品にすると、ほとんどの部品が交換対象になると思います。
この辺の対策が完全とは思えないので、おそらくまだ不具合が出るんじゃないかと思います。

(3)三菱のディーラー態度悪すぎ! 他のディーラーか修理工場に修理を頼もうと思います!

読者の方からのメールでこれが特に多かったですが、結果から言わせて頂きますと、「三菱ディーラー以外だと修理できない箇所が多々ある」って事です。
決して三菱のディーラーメカの技術力が高いと言っている訳ではありませんが、対策部品の確保等の問題があります。
以前紹介したように、ディーラーはメーカーから送られてくる社外秘のデータがあるのですが、そこに不具合の対策方法や、対策部品の部品番号等が記載されているためです。
このデータはディーラーにしかありませんし、一般に公開もされていません。
はっきり言うと、現在公道を走っている三菱車のほとんどは、「完成形」とは言えない状態で走っています。
できるなら、我慢して三菱ディーラーに行って下さい。


今回は読者の方のメールから、3点について解答しましたが、三菱の人間として言える事は、「車の完成度が低すぎる」という事です。
不具合が発生しては対策部品に交換し、それでも不具合が発生し……の繰り返しが多すぎます。
現場の人間の目から見ても、「なんでこんな仕様になってるんだよ! 壊れて当たり前だろ!」って部分も多々あります。
しかも故障が多重に発生しますから手が終えません。
三菱車を専門に扱っているディーラーメカニックでさえも故障原因の探求に何日も費やす場合もあります。
読者の方の中にも、現在三菱車を乗っている方はいると思いますが、三菱自動車に携わった人間としてのアドバイスは、

「できるだけ急いで他車に乗り換える」

この一言です。




反響が大きかったこのシリーズも、次回でまとめに入りたいと思います。

三菱車についての募集は締め切りさせて頂きます。他社の情報のみお送り下さい。



探偵ファイル・キム



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