●更新日 06/30●

三菱の真相


三菱さんの欠陥車の件で、世間は大いに揺れたと思います。
全てを完璧にする事は不可能ですが、欠陥がある事を知りながら沈黙していた点は問題でしょう。
三菱関係者に接触する事が出来た今回は、内部から見た真相に触れてみたいと思います。
以下、関係者Mさんのお話です。



現在、リコールがだいぶ騒がれていますが、これは今始まった事ではありません。
私が入社する前(4年前)から、リコール等は隠していたようです。
まず、「リコール」と一言で言っても、種類がたくさんあり、大きく分けると
(1) リコール
(2) 改善対策
(3) サービスキャンペーン

の3つに分かれます。

(1) リコール
自動車が道路運送車両の保安基準に適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計または製作の過程にある場合、国土交通省に届け出て自動車等を無料で修理します。

(2) 改善対策
保安基準不適合状態ではないが、安全上または公害防止上放置できなくなるおそれがあり、その原因が設計または製作の過程にある場合、国土交通省に届け出て自動車等を無料で修理します。

(3) サービスキャンペーン
リコールまたは改善対策に該当しない場合であり、商品性や品質の改善のためにメーカーが行う修理・改修で、国土交通省の通達に基づく制度です。

の3種類で、今回騒がれているのは、(1)のリコールです。
まず、なぜこんなにリコールが多いのかについてですが、
(1) 設計が雑
(2) 生産ラインが雑

以上の2点だと思われます。三菱自動車工業(メーカー)の社内の人間の話によると、(1)の設計に関して、仮にミスの設計を行った場合でも、設計を行った社員は、罰則が無いようです。
また、優秀な設計をした社員に褒章なども無く、かなりテキトーに作っているようです。
設計チームは何組かに分かれてやっているようですが、褒賞等も無いので、競争意識も無く、ミスも気にしていないようです。

(2)の生産ラインですが、作業はほぼオートメーションで機械により行われていますが、どうしても人間がやらなくてはいけない部分があります。
通常では(トヨタ等)、作業した部品は一つ一つ責任者(検査員)が厳しくチェックを行い、ダメなものは弾きます。
ですが、三菱では「人員削減の為、検査員が減り、全くいないわけではないが、かなりチェックは甘い」ようで、作成した部品のチェックを行わず、車に組み込んでいます。
ディーラーへのリコールの通達書類に、「誤ってグリスを塗った為に、部品の交換が必要」等の記述がある場合も多いです。
ちなみに、トヨタ等では、部品の品質管理がものすごく厳しいらしく、それが辛くて辞める方もいるみたいです。
辞めた方は、三菱の生産ラインに来るようですが……。

ここからは、そのテキトーに作られた車に対して、ディーラーがどうやって対応していたかですが、まず、リコールや改善対策が発生した場合、書類で通達が来ます。
これがトヨタのディーラーだったら、結構な騒ぎですが、私達にとってみれば、「またかよ」程度です。

で、実際の作業の内容を確認するんですが、これがまた酷いんです。「普通こんなとこ壊れるかよ!!」みたいなのが盛りだくさんです。
エンジンを支えているフレームが砕けて、エンジンが落ちてしまうので交換しなさいとか、ミッションを交換しなさいとか、ありえないものがたくさんあります。
しかし、お客さんにはすぐには連絡しません。なぜなら、対策部品の供給が間に合わないんです。
対象となる車の台数がたくさんあるので、いきなり全員のお客さんに連絡してしまうと、ディーラーはパニック状態におちいります。
その為、お客さんへの連絡(ダイレクトメールがメイン)は小出しにして送ります。その間、お客さんは危険な車を運転しているわけですが……。

そして、ある程度の対策部品の確保が出来てからお客さんへ連絡します。まあ、順番としてはうるさいお客さんからですけどね。
1回のリコールにつき、何百台という車が入庫するので、はっきり言って寝る暇も無いです。
リコール作業の合間を縫って一般の整備や、車検整備などもやらなくてはいけないので、体調を壊す人も出てきます……。
しかもなぜかリコールは夏前に発表される事が多く、お盆休みは入社して3年間、1度もありませんでした。




これだけお話を聞いていても信じられない事ばかりですが、話はまだ終りそうにありません……。
続けて取材をして行きたいと思います。



探偵ファイル・キム



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