●更新日 06/20●

働く人の憂鬱シリーズ 〜格闘家(キックボクサー)の憂鬱〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。
今回は、キックボクサーとしてチャンピオンに輝き、現在も活躍されておられる新田明臣』選手(所属ジム:バンゲリングベイ)にお話をお伺いして参りました。
どんなお話が訊けるか? インタビュー開始です!

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この仕事をなさろうとしたきっかけは?
格闘技を始めるきっかけは、精神的にも肉体的にも弱かったんで、強くなりたいと思った事からです。
それで高校の時に空手をやっていたんですが、3年になった時に、「進路どうするんだ?」と訊かれて、「空手をやる」と言っても先生は納得してくれなかったので、どうせなら”プロ”と名の付く方が格好が付くんじゃないかと思って、「プロのキックボクサーになります」と言った事が始まりでした。

このご職業の魅力・メリットは?
肉体的に強いと言う事は、”動物的”に言うのなら他の者より優位に立つじゃないですか。人間としてならそんな事は無いですけど、動物としてなら強い方が偉い。その点は自分自身の自信に繋がって、どこでも堂々としていられますね。

格闘家と言うと怖い人が多そうなイメージですが実際はどうですか?
イメージは怖いかも? ですが、実際はおとなしいというか大人というか、意外と無茶しない人が多い気がします。(勿論伝説になるような無茶する方々も時にはいます)
他の業界と同じで様々だと思います。短気な人、強気な人、優しい人etc……。しかし、少なからず強さに対する特別な思い入れというか憧れから入る人が実際に格闘技をやる人種だと思うので、肉体を誇示してアピールする人は多いかもしれません。そういうとこからコワもてイメージに繋がってるのかもしれないですね。ただ、今は空前の格闘技ブームなので、本当に色々な人がいると思います。
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  ▲新田選手のイメージである獅子

実際仕事をしてみて、内情はどんなものでしたか?
お金には縁が無い世界ですね。
今は格闘技ブームなので、稼げる選手もいますが、自分みたいにお金の事を考えずに始めた人達にとっては大変ですね。
生活するには厳しい世界です……。ボクサーにしろ、キックボクサーにしろ、プロになっても最初の頃は、バイトしながらじゃないと生活出来ないんですよ。昼間バイトして、夜練習みたいな。
最初の頃なんか、ファイトマネーも、チケットだけで4万円とか。そこから30%がジムに行くんで……。チャンピオンクラスでも、30万。そこからまた30%がジムへ。
僕の場合、日本と世界の2つのタイトル取ったんですけど、1番良かった時で、55万くらいでした。それ(格闘技)だけで食って行くのは無理ですね。
でも、今はブームの高騰もあり、もっと良くなっているでしょう。

格闘家を目指すなら知っておいた方が良い事は?
将来的な事をしっかり考えておいた方が良いですね。金銭的な事とか。
パッと見は華やかなんで、やり始める人が多いんですけど、でもどれくらい稼げるのかを知らないで始める人がホントに多いので、その点はちゃんと考えた方が良いですね。
あと団体が乱立しているので、どこに入るのかもしっかり調べておいた方が良いですね。

プロで活躍するようになってから女性にモテるようになりましたか?
それはあると思いますね(笑)。試合前と、試合に勝った後じゃ、女の子の見る目が全く違いますからね。モテますよ(笑)。

今までの人生で1番楽しかった事は何ですか?
楽しいとは違うのですけど、試合に勝った時は充実しますね。
今まで苦しいトレーニングをしてきて、その結果が出る。これは堪らないです(笑)

今までの人生で1番危なかった事は何ですか?
減量とリバウンドと繰り返して、ストレスから過食症になった時は危なかったですね。食べずにはいられなくて。精神的にもやばくなって。「このまま死んじゃうんじゃないかな?」って。

キックの世界に八百長とかは存在するんですか?
僕には経験がないし、やった当人の証言が取れる訳じゃないんですが、片八百長はあるかもしれませんね。これは片方がわざと負ける試合のことですが、見ていてそうとしか思えない倒れ方とかあります。でも、その相手の選手に罪はないし、すごく罪なことだと思います。僕のいた団体で僕が在籍してた時には勿論無かったですけど

笑い話とか、苦労話とか有ったら教えて下さい。
タイに行った時なんですが、試合日の感覚が凄い短かったり、試合日がいきなり変わったり、決まったりとメチャクチャでしたね〜。
あと、イタリアでの事なんですが、試合があると言うからイタリアに行ったんですよ。で、トレーニングで街中走っていたら、やたら僕と相手のポスターが街中に張られている。張られているんだけど、読めないから意味が解らない。「何だろう?」って思っていたら、試合の入場する時になって、「実は世界タイトルマッチなんだ」と告げられたんですよ(笑)。ホントにやる直前。
これはジムの人も、協会の人も聞いてなくて、向こう側にまんまと隠されていた訳なんです。向こうからしてみれば、かっこうのかませ犬だと思ったんでしょうね。現地の人もみんな相手が勝つと思っていた。そんな中で僕がKOで勝って、タイトル取っちゃったんですよ(笑)。これは向こうも計算違いだったらしくて、勝ったのにベルトを用意してなかったんです。それでこちら側(日本)も怒って、「タイトル取ったんだからベルト持って来い!」ってなって、ようやくしぶしぶベルトを持って来たという話がありました。

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7/10に試合をなさるそうですが、その試合に対する意気込みを
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参考:http://www.boutreview.com/data/news/040710ikusa.html
K−1のミドル級につなぐ自分にとって新しい第1歩であり、僕の人生の中でも大きなものとなるので、ガッチリ勝ちたいです!

新田選手の所属するジム『バンゲリング・ベイ』の売りは?
1万円で柔術もキックボクシングも好きなだけ練習出来るという所ですね。各フロアが分かれているので時間を気にせず、それぞれ練習出来る所です。
ストレス発散や汗を流しに来るサラリーマンの方などの社会人の方が多いので、殺伐とした雰囲気が無く、和気藹々とトレーニングが出来ます。
また、ちょうど仕事が終わる時間あたりに合わせてダイエットコースを設けています。楽しく汗をかきながらダイエット、会社のストレス発散など、OLの人たちに人気のコースです。
最近は女性の格闘家も目立った活躍をしており、興味のある方は是非お越しください。

その他、言いたい事があったら是非
最近の子は軟弱じゃないですか、スポーツもしないで、部屋の中でゲームばっかりで。それじゃ良くないと思うんです。肉体が弱くなれば、メンタル(精神)も弱くなるので悪循環になります。格闘技とまでは行かなくても、何かスポーツをして身体を動かすように事を忘れないで欲しいです。
それと目標として、K−1のミドル級で輝きたいと思っておりますので、頑張るので応援宜しくお願いします!

協力:『バンゲリング・ベイ



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