●更新日 06/14●

ポストWinny?!『Share(仮称)』


数多くのユーザーの支持を受けていたファイル交換ソフト『Winny』。その作者が著作権法違反幇助で逮捕されたニュースは記憶に新しいでしょう。
作者逮捕後、Winny利用者の数は減ってきており、他のファイル交換ソフトへの移行が少しずつ進んでいます。そんな中、数あるP2Pソフトの中でポストWinnyの呼び声高いのが『Share(仮称)』(以下「Share」と表記)というソフトです。このソフトは一体どのようなものなのでしょうか?今回はこのShareの特徴を紹介してみようと思います。


   ▲Share(前)とWinny(後)


クラスタの指定が可能
このクラスタというのはジャンル別けのようなもので、Winnyでも同じジャンルのファイルを持つ人同士との接続がしやすくなるという機能がありますが、Shareではクラスタを自分で指定することが可能です。同じクラスタを指定した人同士だけで接続されるため、求めているファイルを探しやすくなります。


一次配布者の匿名性が高い
配布されるファイルはまず、一次配布者から二次配布者となるShareネットワーク上の他の参加者の端末に分割でコピーされます。そしてダウンロードする側は、その分割された断片を集めて結合することでそのファイルを利用できるようになります。間に二次配布者を挟んでいるので、一次配布者を特定することが困難になっているのです。



しかし匿名性が高いのは一次配布者に関してのみで、その他の点ではそれほど優れていないと言われています。とは言えまだ開発途中ですから、今後改善されるかもしれません。


操作感覚や流通ファイルがWinnyに近い
基本的な操作方法はWinnyに近いのもポストWinnyと言われる所以でしょう。またそのためか、Winnyから移行してきたユーザーが多いので、Winnyで流れているファイルも多く見受けられます。
ユーザーやファイルの数はまだWinnyの方が多いものの、掲示板上での情報交換や解説サイトの設立など、ユーザーの盛り上がり方は初期のWinnyを思わせるものがあります。


▲Winnyでは解説サイトの作者も家宅捜索を受けましたが・・・?


現時点ではテスト運用の段階で、匿名性や安定性といった点で不安があるなど、Winnyの後継と言うにはまだ力不足です。しかしそれらの問題の改善、そしてWinnyに対する司法の判断次第では次期ファイル交換ソフトのスタンダードとなるかもしれません。



探偵ファイル・千明



前の記事
今月のインデックス
次の記事