●更新日 06/05●

働く人の憂鬱シリーズ 〜スロット設定師の憂鬱〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。
今回は、スロット機を設定する重要な役割を持つ『スロット設定師』さんにお話をお伺いして来ました。
それではインタビュー開始です!



設定師ってどんな仕事ですか?
スロットの台の出玉設定をする仕事です。
ですが、設定だけすればいいのではなく、商圏エリア内の情報収集、稼動データ等の分析、マーケティングも重要な仕事です。

きっかけは?
パチンコ屋さんでアルバイトをしていたのがきっかけで、パチンコ屋さんの正社員になり、ホールで経験を積んだ後、役職者となり設定を任されるようになりました。

内情は?
体力的にも、精神的にもかなりハードです。
本社からの利益予算数値をクリアするべく、データや情報を分析し、必ず結果をださなければいけないので、精神的に追い詰められる事もあります。
逆に、月に億単位のお金を動かす仕事なので、大きな仕事をやっているという充実感がある事も確かです。

写真
▲イメージ画像です


お給料・ボーナスは?
給料は手取りで55万。(諸手当を含む)
私の場合はホール社員扱いでしたから、設定とホールの仕事をして、この金額です。
ちなみに。台入れ替えの時以外は時間外手当・残業手当などありません。
ボーナスは利益予算をどのくらい上回ってるかで変わってきますが、私の場合はだいたい120万くらいでした。

結構行われているけど、一般の人には秘密の事ってありますか?
一応店側としては秘密なんですが、結構知られてるのがサクラの存在です。
出玉アピールの一環で、その機種がいかにも出てるように見せるのが目的です。
サクラにする人の条件としては、同じ台で長時間打ってくれる人で、高設定の台なら確実に出せる常連さんを選びます。
ただし、これは店側が勝手にやっている事で、いわば、常連さんを優遇している状態です。

笑い話を教えて下さい。
明らかに怪しい動きをする客がいる時は、何故かホール従業員達がワクワクしてますね。
事務所でもカメラでその客を集中的に追っかけ、ホールでも厳戒態勢をとります。ホール従業員一同、もしや捕り物があるんじゃないかと、目を輝かせてますね。(苦笑)

設定師って、どんな風に設定を決めてるの?
私の場合、各機種ごとに設定を考えてました。
各機種の1週間前からの稼動データと、各台の1週間前からの履歴データーを参考にし、その機種全体の一台として各台を設定するという考え方です。各台の稼動と出玉が偏らないように考えて設定するのです。
ですが、各台が1日にどんな波を作るかを考える訳ではありません。そんな事は、裏を使わない限りできません。
設定師が考えるのは、閉店後に各台・各機種・ホール全体でどんなデータが出るかです。そして、そのデータは1ヶ月を通してどうなるか。そこまで考えて設定します。
ですから、出すぎたからといって、翌日、すぐに設定を変えて回収という事はあまりありません。逆もまた然りです。
設定に絡む、その他の要素としては、「商圏エリア内他店舗の店休日」、「商圏エリア内他店舗のイベント」、「曜日(どのホールでも平日の水・木曜日が弱いとされてます)」、「天気」、等です。

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▲イメージ画像です

設定師を目指すなら知っておいた方が良い事は?
とにかく、お休みがありません。
店休の日は、試し打ちや打ち込みをしてデータを取らなければいけないし、個人休の日でも早番の日でも、翌日の設定のために閉店時間30分前には再度出勤します。遅番の日でも、天気によっては設定を変える必要があるので、開店時間前から出勤となる事もあります。
ホールの利益予算をクリアしようと思えば、それが当然と言われるのが、この業界なのです。
ちなみに。私この業界を去った最大の理由は、体が持たなかったからです。
高額のお給料を貰えますが、それと引き換えに休みはないものと考えた方がいいです。



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