●更新日 06/02●

そして伝説へ…シリーズ 『ドクター・中松』(前編)


今回は、タイトルに相応しいお方に取材して参りました。生きながらにして伝説と化し、今尚その伝説を紡いでおられるこのお方! 「中松義郎」博士……『ドクター・中松』!!
日本人なら知らない方がいないくらいに有名な中松博士。しかし、その功績や経歴までご存知の方は意外と少ないのでは無いでしょうか?
そこで今回は、中松博士の魅力と発明品についてご紹介していきたいと思います!






『ドクター・中松』プロフィール

どの様なご家庭にお生まれになられたのですか?
中松家は300年間、徳川幕府の旗本だったのです。家老も勤めていました。祖父は三井グループの総帥、日銀理事、三井物産役員、中島飛行機役員などに子供を嫁がせました。父はその長男に当たります。

初めての発明は5歳の時だったそうですが、その時の話を
僕の母がですね、非常に優秀な人で、当時のトップだった「東京女高師」を首席で卒業したのです。そしてとても教育熱心で、僕が3歳の時分に、「物理」「英語」「国語」を教えてくれました。ですから、僕は3歳の頃から既に様々な知識を持っていました。
それで初めて5歳の時に発明したのが、飛行機に取り付ける『自動重心安定装置』だったのです。


▲『自動重心安定装置』

「灯油ポンプ」、正式名『醤油チュルチュル』を発明された時のお話を
これは母に対して、親孝行・恩返しがしたいと思って作った物です。
昭和17年、僕が14歳の頃ですが、戦争中で燃料に乏しく、冬がとても寒かったのです。そんな中、寒い台所で母親が一生懸命、一升瓶のお醤油をお醤油差しに入れようとしていたのですが、手がかじかんで上手く入らない。そんな丸まった背を見ているうちに、一升瓶を手に持たず、置いたままで卓上のお醤油差しに入れられるような発明をすれば良いと思って作ったのです。
これが今の「灯油ポンプ」となった訳です。
苦労もありました。まず、どう発明したらいいのかが解らなかった。その頃は14歳の中学生だったのでね。
お醤油をどうするかという事で、“流体力学”に目を付けましたが、当然ながら中学生はまだ習っていません。発明と言うのは、理論が解っていなければなりません。そこで図書館に行ってね、「ベルヌーイの定理」等の流体力学を勉強しました。


▲『醤油チュルチュル(灯油ポンプ)』

『フロッピーディスク』を発明された時のお話を
麻布から東大に入りましたが、その2年生の時に発明したのがフロッピーディスクです。
当時、戦時中に使われていた防空壕がそのまま残っていたのですが、防空壕に使われていた木が立派な物で、そのままにしておくのは勿体無いと思ったのです。そこで、この木を使った発明品(※冷蔵庫型電蓄『オールハーモニアス』の事)を作ろうとした時に、防空壕からヒラヒラと1匹の黒いアゲハチョウが飛び出して来ました。それを見て僕は、“フロッピー”と名付けたのです。
そして、自作した電蓄でベートーベンの第五交響曲のレコードを聴いていた時に『フロッピーディスク』の発想が生まれたのです。“落としても割れない”“ノイズを取り除く”“ジャケットに入っているレコードを取り出さなくても良い”“薄く軽い物”と全部の条件を満たす物として考えました。
苦労もありました。出来た物を日本の代表的な所へ売り込みに行ったのですが、NEC、富士通、日立、三菱全部に断られました。「大学生が何を言うか!」と言う訳です。「そんなに良い物ならとっくにIBMが採用しているわ。我々はIBMの真似をしていれば良いのだ」と。
ところが、そのIBMがその話を聞きつけて、特別機で僕の所に掛け付けて来て、「世界中の権利をくれ」と言う事で、IBMにライセンスをしました。そうしたら、断っていた日本の電機メーカーがIBMに、「サブライセンスくれ」と言って来た訳なのです。最初に僕と契約すればいいものを断ったが為に、非常に高いライセンス料を取られる事になったのです。


▲『フロッピーディスク』

『フライングシューズ』を発明された時のお話を
僕は、“工学博士”“法学博士”“医学博士”“理学博士”“人文学博士”の5つ全部の博士号を持っていて、全部あわせて『ドクター・中松』と言っています。
で、その医学の部門でいかに元気に健康でいられるかの研究もしているのだけど、ジョギングと言うのは非常に身体に悪い。何故なら、衝撃が身体に沢山掛かるからです。だったら、衝撃を吸収するバネを靴の裏に付ければいいと思って作りました。
ところが最初、鉄で作ったら重くて足が上がらない。そこで今度は軽くする為にプラスティックで作ってみたが潰れてしまった。鉄もダメ、プラスティックもダメ。
そこで発明したのが、“形状記憶プラスティック”だったのです。つまり、形を覚えているプラスティックと言う事です。これは非常に高度な発明だったのです。ですから、その素材を使っている『フライングシューズ』はとてもハイテクな物なのです。「ただピョンピョン飛び跳ねているだけで変だな」と普通の人は思うかもしれないけど……。
この発明は、Yシャツや、冷暖房装置の風向き調節にも、この形状記憶が応用されているなど、非常に大きな発明だった訳なのです。


▲『フライングシューズ』

『ラブジェット』を発明された時のお話を
僕はコロンビア大学でも教えているんだけど、そこの教授会で、“日本最大の問題点は何か?”というディスカッションをした時に、一般的に見ると不況とか、失業が問題だと言うと思うんだけど、そうではない。“日本の最大の問題は、少子化である”と、アメリカのトップ達は考えた結論付けたのです。
ところが日本の政府は少子化について、何も対策を考えていない。「政府がやらないのだったら僕がやるしかない」「僕の発明で日本を救おう」と考えて『ラブジェット』を発明したのです。
これにより、非常に感度が上がり、そして身体の中に発生するホルモンにより、各種若返るなどの効果が出ます。


▲性交時の感度が上がるという『ラブジェット』。絶賛発売中!




と言った所で、前半は終了です。
5歳の時に初めての発明。「灯油ポンプ」「FD」「形状記憶プラスティック」等など、驚くべき発明をなさっていらっしゃたのです。
後半は、中松博士ご自身のお話をご紹介したいと思います。


ご協力:ドクター中松創研



探偵ファイル・キム



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