●更新日 05/13●

働く人の憂鬱シリーズ 〜チャペル・オルガニストの憂鬱〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。
今回は、ウエディングで活躍されるチャペル・オルガニストにお話を伺いました。
では、さっそくインタビュー開始です!  





―――チャペル・オルガニストの仕事とは?
ホテル等の教会式挙式でパイプオルガンを弾く仕事です。聖歌隊や牧師との打ち合わせや、挙式のリハーサル等も行います。

―――きっかけは?
前職は自宅でピアノ教室をしておりましたが引越しをした後、中々、自分の技術を生かせる仕事に出会えなかったからです。

―――魅力は?
人生で一番美しい瞬間に立ち会える事です。

―――内情は?
少子化、経済の低迷等による世情を反映して結婚式が少なく、また地味婚になってきたので仕事が減ってきました。

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―――知っておいた方が良い事は?
殆どの式場はブライダル会社に押さえられています。その競合で拘束時間が長い割に演奏料が安い事は覚悟して下さい。

―――この仕事をやっていてのエピソードは?
時々ドラマのようなシーンに出会う事があります。先日は、病気で倒れた母親に買って貰ったドレスを着た花嫁の、涙の挙式がありました。人生は毎日がドラマなのですね。

―――笑い話や苦労話は?
結婚式中に写真を撮っていた新郎側の友人のアフロヘアに蝋燭の火が着き、危うく笑い事ではすまされない所でした。これがブライダル会社側のメンバーの不祥事だったら、たちまち取り返しのつかない事態となったでしょう。
また、誓約の最中に牧師の胸の携帯が鳴ってしまい式料全額補償した、なんて事もあります。   

―――外国人牧師と接していてどうですか?
日本語の下手な外国人牧師の言葉をチェックしてあげるんですが、中にはキレる人がいます。大体素直な人が少ないですね。

―――内緒の事は?
時々ホントの牧師でない人が来て私は宣教師の○○です、と嘘をついて式をやっています。また、聖歌隊が遅刻して1人足りなくなった時に、急遽人数合わせで大学生の妹を連れて行って、口パクで歌わせた事もあります。

―――その他
この9年間というもの、数百人もの新婦と接してきました。リハーサルをする1時間内ではあっても、その方の本質的なものの考え方、優しさ、育ち方等殆ど解ってしまいます。
根本的に人間としての生き方、在り方の再発見に自分を照らし合わせて見つめ直したいものです。





……そういえば、私も友人の結婚式に出席したら、牧師が担任の英語教師だった事がありました。



ガルエージェンシー本部・刈


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