●更新日 05/11●

留学ビジネスの影に(後編)


留学ビジネスの裏で暗躍するIについて、前・中に渡って記事にして来ました。
前編 中編
今回はその核心に迫ってみたいと思います。



・過去に遡る捏造
成績を捏造していると言う事は前回お伝えしたと思います。しかし、これは在学中だけでなく過去にも遡るのです。
Iは中退者・素行不良者も半ば強引に入学させています。海外の学校は出願時に過去3年間の成績も要求します。しかし、学校で成績をまともに出せないものですから過去の成績はバラバラです。その点に目を付けたIは、架空の学校をでっちあげ、その学校の成績証明書を作り出し、海外へ提出しているのです。また海外への推薦状も自ら作り上げているのです。正式な成績では無いのですから……後は中編で騙った内容と同じ結末を迎えてしまいます。

・なぜそこまでするのか?
その理由は1つ。「誰でも留学出来る」「毎年全員が留学しています」がこの学校の売りだからです。
その言葉を信用して集まって来た生徒を、”明らかに問題があっても””明らかに成績が足りなくても”、Iはどんどん留学させて行きます。そう。Iの目的は留学させる事。『海外に留学させた後は知った事じゃない』と考えているのです。
売りが全てなのですから、毎年どんなに大変であろうとも、捏造してでも生徒を留学させているのです。
「留学が目的なんだから留学させなくちゃ。留学させれば保護者の望みは叶うんだからな」
Iの指導者はこう語っていたそうです。例え留学先で生徒が問題になろうとも、この考えは変わりません。
ここに”留学”本来の意義はありません。

・成績捏造、留学後の生徒たちの成れの果て
留学後の生徒はどうなるのでしょうか?
海外での学校でのびのびと成績を伸ばす生徒も居ます。しかし、実際は……。

不登校の癖が付いている生徒 → 学校に馴染めず中退
素行不良の生徒       → 現地の学校でも問題を起こし退学
成績に難があった生徒    → 現地のレベルについて行けず挫折・中退
〃             → 高校を卒業出来ても、現地の大学に行けるレベルではなく、日本の大学への帰国子女試験にも合格出来ない。よって就職。

また、海外で高校を卒業しても、日本では高校卒業と認められないので、中卒と見なされる。
このように、ただひたすらに”留学したい(させたい)”と思って、仮に留学が出来たとしても、決して楽な道ではありません。
どうですか?留学の事を軽く考えていらっしゃった方は居りませんか?



・海外の学校の不信感への対策
これだけ”留学させる為だけ”に動いているのですから、その生徒を留学させられている海外の学校も当然、不信に思って来ます。しかし、Iはそこもきちんと計算に入れております。
例えば、捏造した生徒を送った翌年は、成績が優秀な生徒を送る、などのように優劣を交互に繰り返しているのです。
成績不振の生徒が続けば流石に成績書の信用度が疑われますが、成績の良い生徒も来る訳ですからそれ以上は言えません。
それでも怪しいと思われそうになったら、暫くの間留学生を送らず、ほとぼりが冷めた頃に再び同じ行為を繰り返すのです。
……よく考えられています。

・留学を行うには?
留学をお考えの方に、4つの選択肢を提示します。

1.留学斡旋業者による代行手続き
最も多いパターンだそうです。解らない事や複雑な事を代行して行ってくれます。また渡航後の面倒も見て貰えます。

2.自力で留学する
自分で学校のやり取りや、手続きをします。高校生でこれを行うのは大変なようです。苦労が多いと思いますが失敗は少ないです。

3.通っている学校の兄弟校へ留学する
海外に姉妹校・兄弟校を持つ学校が増えているそうです。その兄弟校なら、比較的に留学出来る事でしょう(ただし、交換留学という形で1年という期限付き)。経験が欲しいというのでしたら、高校受験の時から留学が可能かどうかを視野に入れておく事になります。

4.Iに入学する
色々と問題を挙げて来ましたが、”とにかく留学”と言う方にしてみれば、素晴らしい学校である事は間違いないでしょう。なにせ100%なのですから。



如何だったでしょうか?
まだまだ語り尽くせない事はありますが、それはまたの機会に。
皆様のご意向があれば、また追加取材して行きたく思います。
最後に。

このIの卒業生と、このIの元関係者のやり取りを上げて終りに致します。
もう1度問います。
「留学を軽く考えていませんか?」


卒業生と元関係者の言葉



探偵ファイル・キム



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