●更新日 04/21●

「ウェディング問題」とインターネットの将来


4月17日土曜日、都内某所である集会が開かれた。
主催は「株式会社ウェディング問題を考える会」(以下「考える会」)。この集会は「考える会」の記念すべき第一回集会だ。
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「株式会社ウェディング」は京都に本社を置く、主に宝石販売を営んでいる企業だが、ここでは関連企業の所属する「ウェディンググループ」を指す。
では、「ウェディング問題」とは何か・・・?至極簡単にまとめると、以下の2つになる。

1:「ウェディング」が自分達に不利な情報(「ウェディング」は悪徳商法をしているかもしれない、等)を記載しているサイトに対して圧力を掛け、それに応じなかった人物を「名誉毀損」として民事・刑事両面で訴えた事
2:「ウェディング」が様々な手段によって、上記サイトをインターネットから締め出そうとした事

2の最たる例として、検索エンジンGoogleの検索結果に表示されなくなる現象、通称「Google八分」が挙げられる。
検索エンジンの代名詞にもなったGoogleに表示されないと、新たな来訪者が増えなくなる…だけでは終わらない。
同じ事が繰り返されると、賛美であれ批判であれ、ネット上ではどちらか一方の情報しか手に入らなくなる恐れもあるのだ。
これは我々インターネットユーザーには重大な問題であり、決して他人事ではない。
この問題について更に詳しく知りたい方は「考える会」公式サイトや、渦中の存在である『悪徳商法?マニアックス』を参考にして頂きたい。

「考える会」は、上記の問題への対策や今後発生するかもしれない同種問題の予防策について、皆で意見し合い、検討し合うために設立された。
今回の目玉は、『悪徳商法?マニアックス』管理人であるBeyond氏の初めての講演会だ。
この問題を通じて「これからのインターネットの在り方」を探るためか、当日は大勢が集会に参加していた。
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▲会場の風景。撮影後、更に人が入ったためほぼ満席状態に。


集会は終始和やかなムードで進行し、緊張気味のBeyond氏も時折ユーモアを混ぜる余裕を見せていた。
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▲(左)講演中のBeyond氏。「潜入調査するかもしれないので、顔はこっそりでお願いします」との事。
 (右)「考える会」メンバーの紀藤弁護士。「ホームオブハート」問題で大変だとか。


肝心の「ウェディング問題」に関しては、「考える会」メンバーから過去の問題のおさらいや将来の展望について述べられた事よりも、特別ゲスト・「株式会社ウェディング」取締役による、

「民事・刑事共訴えを取り下げると共に、インターネット上の一連の対応についても誤った方法であったと認める」

という発言が最も反響を呼んでいた。それもそのはず、これはウェディング側の、事実上の敗北宣言だからだ。

「Google八分」等の障害はまだ残っているものの、以上の発言によって「ウェディング問題」そのものはこの集会でほぼ解決となった。
だが、これからも同じような問題が発生しないとは言い切れない。
法律の不備、企業のネットに対する認識の不足、「批判」と「名誉毀損」の不明瞭な境界線…問題の火種は、まだまだ残っているからだ。
「考える会」は、今後もこれらについて議論し合うために活動を続けると言う。
インターネットが孕む諸問題について、一般ユーザー側から真剣に考える時が来たのかもしれない。



探偵ファイル・静山



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