●更新日 04/10●

働く人の憂鬱シリーズ 〜コンシューマーゲーム開発者の憂鬱〜


以前「ゲームクリエイターの憂鬱」という、携帯用ゲームアプリ制作者のインタビュー記事を掲載しましたが、その後「コンシューマーやアーケードの制作者にもインタビューして欲しい」というご意見を多数頂きました。
そこで今回は、コンシューマー(家庭用)ゲームの開発に携わっておられる方にインタビューを御願いし、一体どのような状況で働かれているのかを伺いました。
前回とはまた一味違った内容になっています。ゲーム業界を目指す人は要チェック、かも?



――具体的にはどのようなお仕事を?
「プランナー」という肩書きで、企画を始めとした様々な仕事に携わってます。デザイナーやサウンド、プログラマー以外だと思ってもらえればいいかと。
例えばRPGにおける戦いのルール等、ゲーム内の仕様を作るのが主な仕事で、それ以外の雑用もフレキシブルにこなします。

――この業界に入ったきっかけは?
「ゲームが作りたい!」と思い続けてきた・・・訳ではありません。熱狂的にゲームが好きな訳でもないです。
ゲームとは無関係な専門学校を辞めて、WebデザイナーやDJ等をしながら暮らしていたら、たまたま某社がアルバイトを募集していたので働き始めました。
そこから正社員になって、今に至ります。

――実際に働いてみて、内情はどうでしたか?
よく給与がキツイと言われていますが、私はバイトとして下積みがあったからか、正社員としての初任給が手取りで月20万ありました。
勤務環境については、キツイ時はキツイし楽な時は楽、と波がはっきりしています。
会社によりけりだと思いますが、私の所はキツイ期間が長くて1ヶ月ぐらいです。その間は会社に泊まるなんてざらですね。

――笑い話や苦労話があれば教えて下さい
やっぱり、苦労して作ったゲームでクレジット入り(スタッフロールに名前が載る事)すると嬉しいですね。
あと、私は幸いにも未経験ですが、作ったものの諸事情で売れない・・・「お蔵入り」になる事も多々あります。想像を絶するほど辛いと思います。
ちなみに「お蔵入り」したものは、二束三文で別の会社に権利を売り渡され、名前や形を変えて世に出る場合もあります。
某定額ソフトシリーズの中にもそういうのが含まれてますよ。

(イメージ画像です)

―― 一般の人にはあまり知られていない裏事情があれば・・・
よく、ソフト発売後にバグが発見されたりしますよね。実はあれ、メーカー側はほとんどの場合、そのバグの存在を認識した上で発売してます。
基本的に開発中に発見されたバグは全て修正するのですが、マスターアップ直前に発見されたものについては、発売までの時間の都合や、ゲームの進行そのものには影響はないとの判断から、泣く泣くそのまま通す場合があります。
もちろん進行が不能になったりするバグに関しては、修正せざるを得ませんけどね。そんなバグがハードメーカーさんのチェックで出てしまったらそもそも発売できませんから。
そういえば、某RPGは、普通に進めているだけで確実に進行が不能になるバグが残ったまま発売されてましたね。発売されているという事は、ハードメーカーさんのチェックを通過しているんですが、どうして通過できのか不思議ですね。大人の事情というヤツでしょうか(苦笑)。

(イメージ画像です)


――これからゲーム業界を目指す人にアドバイスを御願いします
まず、ゲームの知識しか持っていない「ゲームオタク」は必要とされていません。
「ド○○エみたいなゲームが作りたい」という低い志しも不要です。古き良き物を参考にするのが悪いとはいいませんが、「〜みたいな」だとパクリになるだけですから。
ではどんな人が企業に求められているかと言うと、経験豊富でゲーム以外から得た物を開発に結び付けられる能力を持つ人です。
自分の意見を他人に理解してもらうために、コミュニケーション能力も必須。
あと、自分の思うがままにゲームを作れる機会はまずないという事を肝に銘じておいて下さい。ゲームとは、会社やチームという団体で作る物ですから。



探偵ファイル・静山


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