●更新日 03/31●

治験紹介業者の実態


以前、『高額医療バイト〜「治験」は危険?』という記事で、治験施設に勤める方のお話を紹介しました。
その中で、「治験の仕事を紹介する悪徳業者がいる」という言葉があったのを覚えていますか?
今回は実際に利用した読者の方のお話を元に、その業者が成り立つ理由と、商売の手口に迫ります。





・治験の参加資格
まず、治験には調査の目的や方法によって種類分けがされています。
一般的に「高収入アルバイト」と呼ばれているのは、安全性や吸収・排泄の様子を主に調査する「第一相」です。
では、志願者全員が「第一相」治験に参加出来るのかと言うと、そうではありません。
多くの治験施設は、「治験を受けた事のある人物」=「信頼できる人物」が紹介者にならないと、治験初心者人を参加させない事にしています。

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▲「Google」で「治験 バイト」と検索すると出てくる数々のページ。当サイトも掛かります。


・紹介業者の手口
「紹介者なんていないけど、治験で金儲けしたい!」と思う人の願いを叶える紹介業者。
その方法は、実際に治験を受けた事のある人物の名前を希望者に教え、施設へ申し込む際あたかも「知人に紹介された」風に偽らせる・・・という稚拙な手段です。
これらの業者の目的は、希望者から「紹介料」を得る事。値段は数千円が相場です。
しかしこれらの業者の中には、紹介料は払わせておいて治験を紹介しない「悪徳業者」もあるという事を忘れてはいけません。
また、最近は様々な方面からの圧力があるようで、おおっぴらに「紹介料」を徴収する業者は少なくなりました。
それでもほとんどの業者が手を変え名前を変え、治験希望者に何らかの「見返り」を求めているのも事実です。

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▲治験紹介業者から送られてくるスケジュール表。紹介している分、一応悪徳じゃない?


・「名義貸し」
治験を一度受けられれば、業者を通さずに再び参加する事も、他人を治験に紹介する事も出来ます。
この事実を元に、紹介業者の中には治験体験者に「名義貸し」の依頼をする所があります。
もちろん、お世辞にも真っ当な行為とは言えないので、依頼は主にメールや会員専用ページで秘密裏に行われます。
ただ、治験体験者が知り合いを紹介した場合、治験施設の方から本物の「紹介料」が本人宛に送られるので、名前を貸す側にもメリットはあります。こちらの「紹介料」も数千円が相場のようです。





以上が、治験紹介業者の手口です。
新たな薬を作るためには、治験を避けて通れません。
大きな金額のかかわってくる制度を根本から見直さない限り、金儲けに使おうとする業者はいなくならないかもしれませんね。



探偵ファイル・静山



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