●更新日 03/28●

働く人の憂鬱シリーズ 〜ゲームクリエイターの憂鬱〜


様々な業界に生きる人々から、その実情を明らかにしてもらうこのシリーズ。
今回は、ゲームクリエイターの方にお話を伺ってきました。
子供から大人まで、一度はお世話になるかもしれないゲームという「仮想現実」の世界。
では、その世界を作り出す人々の「現実」は、一体どのような様子なのでしょうか?





――クリエイターという事ですが、主にどのようなお仕事を?
携帯電話用のいわゆる「ゲームアプリ」を作っています。ジャンルは・・・なんでも。
と言うのも私の場合、企画が会社から命じられて、それを元に個人が作るという形なんです。
ただ、ゲームシステムも含めて、内容はほとんど自分で考えています。
世に出ている作品は、サッカーシミュレーションや3DRPGなど。
あと、同じ会社の人が作った作品を、海外用のプログラムに書き換える手伝いもしています。


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     (画像はイメージです)

――この業界に入ったきっかけは?
幼少の頃からゲームが好きで、気がついたら作成に興味を持っていたんです。
そんなある日「RPGツクール」でゲームを作り出して、何度か賞も頂いたので、これを仕事にしていきたいと思うようになりました。
その後、専門学校経由で今の会社に入ったんです。

――入ってみて、実情はどのようなものでしたか?
もっと大きな会社ならまた違うんでしょうけど、私の会社が作るのは携帯用がメインという事もあってか、自由度が高いので今までとあまり変わりませんでした。
その反面、なんでも自分でやらなければならないので、プレッシャーも大きいです。
給与に関しては、平日10時間勤務で月10万円・・・正直、厳しいです。自分で弁当を作ったりして、食費を削っています。週千円とかでもなんとか生きていけますよ。

――笑い話や苦労話などは?
研修期間が始まって、仕事について色々教えてもらえると思っていたのに、突然上司に「じゃあ、好きに作ってください」と言われた時は驚きました。
アマチュア時代の経験が役立って、結果としてはなんとかなりましたけど、期間中はずっと半泣き状態で勤務してました。

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   (画像はイメージです)

―― 一般の人が知らないような、秘密の話はありますか?
これも私の会社独特だと思うんですが、ゲームタイトルはほとんど上司の独断で付けてます。しかもそれが、誰もが知っている有名作品のパクリばかり・・・見てて痛々しいです。ビクビクしながら作品を世に出してます。
それと、毎月人が辞めていきます。どうも、他の会社に転職しているようです。我々だって、多少は会社を選ぶ権利があってもいいですよね。

――最後に、この業界を目指す人にアドバイスをお願いします。
私に限らず、この業界の人々のほとんどはゲームが好きで入ってきてますし、会社側もそれを知っているので、待遇はあまり期待できません。
それに、入ってすぐに自分の作りたい物が作れる訳ではありません。それをどれだけ楽しめるかが、この仕事を続けられるかどうかの重要なポイントだと思います。
アマチュアで色々と経験しておくと、役に立つかもしれませんよ。



探偵ファイル・静山


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