新撰組が京の街を交通規制!?
〜 ゆかりの地に観光客続々と 〜


NHK大河ドラマ「新選組!」の放送が始まって1ヶ月。先月末、こんな内容の報道がなされた。

坊城通を休日通行規制 「新選組!」人気で観光客急増


 放映中のNHK大河ドラマ「新選組!」の影響などで、新選組ゆかりの壬生寺(京都市中京区)周辺で人出が増えているため、京都府公安委員会は30日、同寺の門前を通る坊城通の四条−仏光寺間を、2月1日から土、日曜と祝祭日に車両通行禁止にすることを決めた。
 京都府警によると、テレビ番組の放映に伴う人出の増加で通行規制するのは珍しい。車両通行禁止の時間帯は午前10時から午後4時までで、期間は最長で今年12月31日までとしている。



▲壬生寺の中にある近藤勇の胸像。全国から訪れる観光客のお目当ての一つ。


話題になっている歴史ドラマのゆかりの地ならばその影響で観光客が増えるのも頷けるが、交通規制が必要になるとは異例のこと。「新選組!」の影響が良くも悪くも色濃く出ている現地を訪ねてみた。



▲近くの四条通は観光バスと市バスが入り乱れた状態。


壬生寺周辺は観光に特化している訳ではなく、市街のど真ん中にたまたま新選組ゆかりの寺院があるというだけ。片側2車線の四条通は事実上片側1車線状態であった。

では、規制されるようになった「坊城通」の様子はどうなのだろうか。



▲狭い……。新撰組とは関係のない和菓子屋がむしろ混雑しているのだが、タクシーは近くの大通りで乗り降りしてもらいたいところ。


幅は乗用車一台分しかないため、一方通行。その上、道路脇では数件の土産物屋が営業しているので、どの店の前にも沢山の人だかりが出来て車道へとはみ出している。

写真左の和菓子屋の女性店員に、手短に状況を伺った。

――客足に「新選組!」の影響は出ていますか?
「そりゃあもう! 凄い人の数で『てんやわんや』よ。オバチャンは忙しい時だけ手伝うアルバイトなんだけど、今年になってからは呼ばれる日が増えたわね」

――交通規制も始まったそうですね。
「交通規制? そんなのあるの? 知らないわ」

どうやら忙しさのあまり、交通規制を気にしている暇もなさそう。ということで、続いて近辺の交番を訪ねてみた。

押し寄せる観光客に何度も何度も同じことを聞かれ嫌気がさしたのか……、



「壬生寺へは!!」と、吐き捨てるような貼り紙を出していた。

ただし、さすがというか優秀な地図。壬生寺公式サイトの地図より分かりやすい。赤字で細かく書かれたその地図からは「これ以上何か聞くことある?」と聞こえてくるかのようだ。

この後さらに壬生寺周辺を歩いてみたのだが、この辺りは古くからある民家の密集地帯。今回の通行止めは近隣住民への配慮とも言えるが、ドラマ「新選組!」の放送はまだ始まったばかり。これから気候も穏やかになり、ドラマも盛り上がってくれば観光客がさらに増えることは確実。果たしてこのまま無事に放送終了を迎えられるだろうか。

――100年以上経った今も“交通規制”という形で世の中を動かす新撰組。人々の心を揺さぶる彼らの遺功を称えつつ壬生寺を後にした筆者であったが、帰り際にこのようなものを見つけてしまい、どこか悲しい気分にもなったのであった。。。





▲近藤勇と合祀されていないのに『沖田総司♪Loveデス!!』と書かれた絵馬。



( 探偵ファイル )


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